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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1708.05392
Brouwers et al. (2017)
How cores grow by pebble accretion
(ペブル集積でコアはどう成長するか)

概要

ペブル (pebble,礫) 降着による惑星形成は,標準的なコア降着説に代わる説である.このシナリオでは,惑星は km サイズの微惑星の代わりに cm - m サイズのペブルを降着して成長する.

従来のコア降着モデルとの主な違いの一つは,ペブルが受ける熱剥離の増加である.これは惑星エンベロープの初期の増加をもたらし,その後に起きるエンベロープの進化に影響を与え,惑星のコア成長の過程を変える.

ここでは,ペブル降着モデルでのコアの成長を記述し計算した.また,ペブル降着によって形成されるコアの質量と組成を予測し,微惑星降着によってコアが形成される場合と比較した.
原始惑星の初期の成長を自己無撞着に解くための,衝突と惑星進化モデル両方を含むコードを作成した.高い金属量の物質が蒸気で存在できる領域 (今回のケースでは SiO2) は,温度依存の蒸気圧によって決まる.エンベロープの平均分子量を局所的に調整することで,分子量の増加の影響を取り入れ,惑星の直接コア成長がいつ終了するか決定した.

その結果,ペブル降着によるコア成長には 3 つのフェーズが存在することを発見した.

最初のフェーズ (コア質量 0.23 - 0.39 地球質量) では,ペブルは大きな溶発を受けずにコアに衝突する.
2 番目のフェーズ (コア質量 0.5 地球質量未満) の間は,溶発の影響はますます厳しくなる.金属量の高い蒸気の層がコアの周囲に形成され始め,ペブルから溶発された質量のごく一部を吸収する.残りの物質はコアに落下するか,代わりに外側に混合するかであり,これによってコア成長はゆっくりになる.
3 番目のフェーズ (0.5 地球質量以上) では,金属量の高い内側領域が外側に拡大し,ペブルから溶発された物質のより多くの割合を蒸気として吸収する.ペブルのコアへの落下は,コア質量が 0.6 地球質量になる前に終了し,直接的なコア成長が終了する.

今回の結果は,ペブル降着モデルでは岩石コアは最大で 0.6 地球質量のものしか形成しないことを示唆する.また,氷のコアを形成する事はできない.この結果は従来のコア降着モデルとは対照をなすものである.コア降着モデルでは岩石組成と氷組成の両方の重いコアを直接形成出来るからである.

このフェーズの後に起きるコア成長は,コアの周りの高い金属量の物質を保持する事が出来れば,惑星が冷える時に間接的に起きうる.

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