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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1708.05391
Veras et al. (2017)
The critical binary star separation for a planetary system origin of white dwarf pollution
(白色矮星汚染の惑星系起源のための臨界伴星間隔)

概要

銀河系内で観測されている単独の白色矮星の 1/4 から 1/2 の大気は,惑星デブリによる重元素の汚染が見られる.しかし,連星系にある白色矮星での汚染は明確ではない.これは,伴星からの星風は白色矮星に降着する物質の流れを生み,伴星起源の汚染が発生するからである.

ここでは,小さい惑星を持つ単独の白色矮星および連星系中の白色矮星が汚染されるための,大きな惑星の必要性もしくは欠如について議論する.また,降着源が惑星系からであるための臨界伴星距離を決定した.これによって,伴星距離,双方の星の質量・半径,伴星の星風,白色矮星への降着率に関連した使いやすい関数を得た.

既知の連星系にある白色矮星の大部分においては,もし汚染が検出された場合,その汚染は惑星物質が起源であることを発見した.

白色矮星の汚染について

白色矮星の密度は非常に高く,地球のおよそ 105 倍である.この高密度のため,大気の化学元素は急速に成層化される,これはしばしば数日から数週間のタイムスケールで起きる.その結果として,上層にある水素とヘリウムのみが白色矮星では観測されるべきである.

白色矮星の大気中に見られるヘリウムより重い元素の存在は,言い換えれば白色矮星が “汚染” されている事を意味する.これは白色矮星への外部からの降着の存在を示すものである.実際に,単独で存在する汚染された白色矮星は 100 年前から知られている (van Maanen 1917, 1919).

単独の白色矮星の 25 - 50%は,惑星物質の降着によって光球に重元素を持つ (汚染されている).
これまでに,汚染された白色矮星の数は 1000 個を超える.この汚染された白色矮星の集団は,しばしば観測的特徴として,可視光でのカルシウム,紫外線でのケイ素の特徴を示す.しかし多くのケースで,さらに多くの元素が検出されている.合計では,20 種の異なる重元素が白色矮星大気中に検出されている (Klein et al. 2010など).

しかし,白色矮星-主系列星連星のおよそ 3/4 は,コモンエンベロープフェーズ (白色矮星になる前の巨星段階で,主星と伴星が外層を共有するフェーズ) を回避するのに十分な連星間距離があるにも関わらず,白色矮星における惑星科学は単独の白色矮星にフォーカスされている.この原因は,伴星が存在する場合は白色矮星の汚染が惑星起源とする考えが不明瞭になるからである.
伴星からの星風の降着は,白色矮星の大気汚染のその他の可能性である (Debes 2006).

白色矮星の汚染の原因

白色矮星に星間物質が降着することも汚染源になりうるが,星間物質のみが起源とする考えは,化学的・運動学的な観点から否定されている (Aannestad et al. 1993など).

惑星物質が起源とする説は,白色矮星を公転するデブリ円盤の発見により補強されている.デブリ円盤を持つ白色矮星の数は 40 個を超える.発見されている全ての円盤はダストを含むが,いくつかはガスも含む.

観測では,円盤が存在するのは 0.6 - 1.2 太陽半径の範囲である.このことから,円盤は,恒星進化の主系列星や巨星分枝の段階では形成できず,白色矮星になった後に形成されたことを示す.円盤を持つ白色矮星は重元素の汚染があることからも,惑星物質が汚染の起源であることの証拠となる.

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