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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1709.04686
Lavie et al. (2017)
The long egress of GJ~436b's giant exosphere
(GJ 436b の巨大な外気圏の長い出現)

概要

M 型矮星 GJ 436 は,大気散逸を起こしているウォームネプチューン (warm Neptune) GJ 436b を持つ.この惑星の過去のトランジット観測では,惑星が持つ巨大な水素の外気圏が中心星を 5 時間以上に渡ってトランジットし,恒星の中性水素のライマンアルファ線の青い (短波長) 側を,最大で 56%吸収していることが分かっている.この巨大な彗星状の外気圏の影響で,散逸する大気による尾の部分の完全なトランジットの観測はできていなかった.

ここでは,ハッブル宇宙望遠鏡を用いた,ライマンアルファ線での新しいトランジット観測の結果を報告する.この恒星の過去 6 年に渡るライマンアルファ線の強度の安定性から,今回の新しい観測結果を過去のアーカイブデータと合わせて解析する事ができる.これにより,惑星外気圏トランジットのカバー率を大きくすることが出来る.

外気圏雲の尾の部分にある水素原子は,惑星本体のトランジットの後 10 - 25 時間に渡って恒星を隠し続ける.この結果は,過去の 3 次元数値シミュレーションからの予測と整合的なものである.従ってこの結果は,GJ 436b の外気圏の構造は恒星風による輻射ブレーキと電荷交換反応の両方によって形作られているとする解釈を強化するものである.

また,ライマンアルファの赤い (長波長) 側と,電離したケイ素 SiIII のスペクトル線でそれぞれ 15 ± 2%と 47 ± 10%のフラックスの減少を検出した.観測されたいくつかの時間変動性は恒星活動に関連している可能性があるものの,これらの 2 つのシグナルは外気圏トランジットの最中に発生しており,惑星起源のシグナルだと考えられる.

ライマンアルファの赤方偏移成分と SiIII の吸収特性が,惑星外気圏の流出と恒星の磁場の相互作用から来ている可能性を評価するために,さらなるフォローアップ観測が必要である.

結果の要約

1. 紫外線トランジットの egress (食からの出現) を検出し,その長さが 10 - 25 時間であるという制限を与えた.これは外気圏の水素テールのサイズが 5 - 12 million km であることに相当する.この結果は,過去の観測 (Ehrenreich et al. 2015) とその解釈 (Bourrier et al. 2015, 2016) と整合するものである.2. ライマンアルファの red wing 成分の吸収を検出した.これは青方偏移成分 (blue wing 成分) と比較すると遅れている.このシグナルは,惑星起源もしくは恒星活動からも起こりうる.

3. SiIII 線の吸収シグナルを検出した.これはライマンアルファの赤方偏移成分 (および恒星活動) におそらく関連している.恒星起源か惑星起源かを区別するためには,別の位相における更なる観測が必要である.

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