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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1711.07745
Dorn & Heng (2017)
Secondary atmospheres on HD 219134 b and c
(HD 219134b と c の二次大気)

概要

HD 219134bHD 219134c の内部構造の解析を行った.これらの惑星は,これまで検出された中で最も低温な部類のスーパーアースである.ここでは,分光観測を用いずに,これらの惑星の大気が水素豊富か,あるいは水素に欠けているかの制約を与えることを目標にしている.

最初のステップとして,惑星質量・半径・難揮発性元素の存在度・軌道長半径・恒星の輻射について,与えられた内部構造のパラメータの縮退を厳密に定量化するために,確率的ベイズ推定を用いる.これにより,コア・マントル・氷の層と,大気の構造・組成に対する制約を得る.

二番目のステップでは,大気散逸の影響を考慮した上で,これらの惑星が持ちうる大気の性質についての結論を導き出すことを目指す.具体的には,実際に存在可能な大気を,惑星系の年齢の期間に渡って大気散逸に対抗して大気を保持することが可能なための厚さの閾値を上回るような,初期の水素分子主体の大気と比較する.最も良く制約を与えることが出来るパラメータは,それぞれの層の厚さである.

それぞれの惑星に対する大気の取りうる最大半径割合は,0.18 惑星半径 と 0.13 惑星半径となった.これらの値は,初期大気の閾値となる厚さである 0.28 惑星半径 と 0.19 惑星半径 よりも明確に小さい.そのため,HD 219134b と HD 219134c が持っているであろう大気は,水素分子主体のものではないと考えられる.

しかし,存在するかもしれない揮発性物質の層が,気体または液体/固体の水で形成されているかどうかは,現段階では一意に決定できない.


ここでの主要な結論は以下の通り.
(1) HD 219134b と HD 219134c が持ちうる大気は水素主体ではなく,初期に獲得した一時的な大気ではなく,おそらくは二次的な大気である.
(2) どちらの惑星も気体の層を持っており,HD 219134b の層の方が大きい.また HD 219134c は岩石惑星の可能性がある.

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