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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1712.00437
Drahus et al. (2017)
Tumbling motion of 1I/'Oumuamua reveals body's violent past
(1I/オウムアムアのタンブリング運動が解き明かす天体の激しい過去)

概要

太陽系の進化に関する理論モデルは,惑星形成から取り残されたほとんど全ての始原的な物質は,その後の力学的な不安定性の結果として星間空間に放出されたことを示唆する.従って,太陽系以外の他の惑星系からも小天体は放出され,そのような小天体は星間空間では豊富に存在しているはずである.

このような天体の数密度の観測と,それらが太陽系を通過する際の検出の可能性は,Pan-STARRS と LSST のサーベイによって最近期待が高まっていた.この期待は,2017 年 10 月 18 日に Pan-STARRS によって 1I/‘Oumuamua が発見されたことによって具体化した.


ここでは,Gemini North でのこの天体の均一な測光観測の結果について報告する.この観測では,2 夜で合計 8 時間以上の網羅的な観測を行った.

この天体の超深度観測画像からは,彗星活動の兆候は発見されなかった,これは,これまでに行われていた,今回よりも感度の低い観測結果を確認するものである.

また,天体の光度の変動の大きさは 2.5 等であり,これは太陽系内の小天体でこれまでに確認されている変動の大きさよりも大きいものである.これは,この天体が非常に細長い形状であることを示唆している.

しかし今回最も重要なのは,観測された光度曲線は一回の自転ごとに正確に繰り返されるわけではないというものである.観測された二重ピークの周期性 7.5483 ± 0.0073 時間は,過去の推定値とは一致しない.
これは,この天体がきれいな自転をしているのではなく,タンブリング運動をしていることの明確な兆候である.タンブリング運動をしている事がこの天体の回転が示す顕著な特徴であり,過去に激しい衝突を経験したことと整合的である.

初めて検出された太陽系外起源の小天体が激しい衝突を経験したと思われるものであるという事は,他の惑星系でも小天体ポピュレーションが衝突進化を起こすことは珍しい現象ではないということを表すものである.

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