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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1712.04069
Lora et al. (2017)
Atmospheric circulation, chemistry, and infrared spectra of Titan-like exoplanets around different stellar types
(異なる型の恒星周りのタイタン類似系外惑星の大気循環,化学,赤外線スペクトル)

概要

近年の,より小さく低温な系外惑星の発見により,ヘイズに飛んだ大気を持つ地球型惑星の示す特性について考慮する必要が増している.

太陽系においては,ヘイズ大気の典型例は土星の衛星タイタンであり,タイタン大気は銀河系内の多数の惑星の代表例であるかもしれない.そのような惑星を特徴づけるために,タイタンに類似した系外惑星大気を模したシミュレーションを行った.ただし,中心星は G, K, M 型のそれぞれを考慮した.

大気の general circulation (大循環) モデルと光化学モデルを用いて,異なる恒星スペクトルのもとでのタイタン的な惑星の大気循環と化学的特性について調べた.ここでは,惑星が受ける輻射はタイタンと同様のものを仮定した.

シミュレーションの結果,大気ヘイズによる可視光の強い吸収の影響で,晩期型星が放射するより長波長の放射は,惑星大気中により等温な成層圏を生成し,ミリバール程度の圧力領域でより強い子午面温度勾配を生み出し,より深く強い帯状風を生み出すことが分かった.

全てのケースで,惑星の大気は強くスーパーローテーションするという結果になった.
しかし,子午面循環セルはより赤い恒星光 (晩期型のスペクトル) のもとでは弱くなる.

炭化水素とニトリル種の光化学反応は,恒星のスペクトルによって変化する.この反応では,FUV (遠紫外線) と NUV (近紫外線) のフラックス比が重要である.

今回の結果は,柱ヘイズ生成率は 3 種類のスペクトル型の恒星のもとでは類似していることを,暫定的に示唆している.そのため,多くの恒星の周りで大気の特性はタイタンに似たものを示すと考えられる.

全体としては,タイタン的な系外惑星の大気循環と化学的特性は,中心星のスペクトル型の違いに対して比較的鈍感であることが分かった.

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