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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.01377
Grimm et al. (2018)
The nature of the TRAPPIST-1 exoplanets
(TRAPPIST-1 系外惑星の性質)

概要

TRAPPIST-1 系は,超低温矮星 (ultra-cool dwarf) を公転する,適度な表面温度の 7 個の地球サイズ惑星を持つ系である.この系は,同じ原始惑星系円盤内で形成された地球型惑星の形成と進化の研究対象として注目に値するサンプルである.

TRAPPIST-1 まわりの惑星のサイズは 5% よりも良い精度で推定されているが,惑星質量への制約の精度があまり良くないため,推定の平均密度には 28 - 95% の大きな不定性がある.この論文の目的は,トランジット時刻変動 (transit timing variation, TTV) を用いて,この系の惑星質量と密度に関する現在の我々の知見を改善することである.

TTV の逆問題 (inversion problem) の複雑さは,多重惑星系においては特に深刻 (収束の問題,パラメータ空間の縮退とサイズ) であることが知られている.特に TRAPPIST-1 系のように惑星が共鳴鎖にある惑星系の場合は複雑さが顕著である.

これらの困難を克服するため,N 体計算と組み合わせた遺伝的アルゴリズムを用いた新しい手法を,284 セットのそれぞれのトランジット時刻に対して適用した.この手法によってパラメータ空間を効率的に探索することが可能になり,7 個の惑星の TTV から信頼できる質量と密度を導出できる.

その結果,新しい推定質量によって惑星密度の不定性を 5 - 8 倍改善し,精度を 5 - 12% とすることが出来た.
この新しい値から,TRAPPIST-1 系の惑星の全体の構造について新しい知見を得ることが出来る.TRAPPIST-1c と e は大部分が岩石で占められる内部構造を持つと考えられる.一方で TRAPPIST-1 b, d, f, g, h は,厚い大気,海洋,あるいは氷での揮発性物質のエンベロープが必要と考えられる,大部分のケースでは,惑星全体に占める水の質量割合は 5%未満と推定される.

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