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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.03859
Mancini et al. (2018)
The GAPS Programme with HARPS-N at TNG XVII: Measurement of the Rossiter-McLaughlin effect of the transiting planetary systems HAT-P-3, HAT-P-12, HAT-P-22, WASP-39 and WASP-60
(TNG での HARPS-N を用いたGAPS プログラム XVII:トランジット惑星系 HAT-P-3,HAT-P-12,HAT-P-22,WASP-39 と WASP-60 のロシター・マクローリン効果の測定)

概要

惑星軌道と恒星の自転角運動量ベクトルの間の角度を導出し,恒星-惑星系の他の軌道パラメータと基礎物理パラメータとの間に存在する可能性がある関係性について探査を行った.ここでは,HAT-P-3, HAT-P-12, HAT-P-22, WASP-39 および WASP-60 の 5 個のトランジット惑星系に注目し,天球に射影した惑星の傾斜角を,Rossiter-McLaughlin 効果 (ロシター・マクローリン効果,ロシター効果) を用いて測定した.

観測には,HARPS-N 分光器を用いた高精度視線速度測定を使用した.
上記の惑星系でのトランジット中の分光観測から,各惑星系でのロシター効果を測定し,惑星の公転面と恒星の赤道面の sky-projected angle (天球に射影した角度) を導出した.この際,恒星の大気パラメータは,等価幅比とスペクトル合成法を用いて,HAPRS-N スペクトルから特徴付けを行った.

5 個のトランジット惑星の測光パラメータは,17 セットの新しい位相曲線から再解析して導出した.これに用いたデータは中間クラスの望遠鏡での観測から得られたもので,その他の光度曲線は過去の研究で報告されているものを用いた.

ロシター効果の測定から,惑星の公転軸と恒星の自転軸の角度は,それぞれ HAT-P-3 系で 21.2° ± 8.7°,HAT-P-12 系で -54° (+41°, -13°),HAT-P-22 系で -2.1° ± 3.0°,WASP-39 系で 0° ± 11°,WASP-60 系で -129° ± 17° と導出した.
この結果から,WASP-60b は逆行軌道を公転していることが示唆される
また,これらの 5 惑星のロシター効果の測定が行われたのは,これが初めてである.

HAT-P-22 の恒星活動からは,この恒星の自転周期が 28.7 ± 0.4 日であることが示唆される,この値から,実際の HAT-P-22b の公転軸の傾斜角は 24° ± 18° と推定される.

また,これら 5 個のトランジット系外惑星系の物理パラメータの改訂を行い,WASP-60 系を除いて過去の研究と完全に適合する値を示した.WASP-60 については,今回の高い品質の分光観測と測光観測データに基づいて,恒星はこれまでの報告よりも重く若い性質を持ち,惑星に関してもより大きく高温であることが判明した.

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