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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1802.04631
Delisle et al. (2018)
The HARPS search for southern extra-solar planets. XLIII. A compact system of four super-Earth planets orbiting HD 215152
(HARPS による南天の系外惑星探査 XLIII.HD 215152 を公転する 4 個のスーパーアースのコンパクトな系)
今回発見された惑星の質量は小さいため,各惑星の軌道離心率を制約するほどのシグナルノイズ比は得られなかった.しかし暫定的な力学的解析からは,この惑星系が安定であるためには,各惑星の軌道離心率は典型的には 0.03 程度より小さい値である必要があると示唆される.
発見された惑星のうち 2 組は軌道周期比が 1.5 より小さい.惑星は短い軌道周期を持ち,低質量で低い軌道離心率であることから,この系はケプラーによって数多く見つかっている,非常にコンパクトな軌道配置を持つ複数惑星系と類似している.このような系は,視線速度サーベイでの発見例としては非常に希少である.
今回の発見は,コンパクトな軌道配置の低質量の複数惑星系は,現在の視線速度の観測技術で検出できることを証明するものであるが,そのような系の惑星を特徴付けるためには膨大な量の観測が必要である.
半径:0.73 太陽半径
スペクトル型:K3V
自転周期:42 日
有効温度:4935 K
金属量:[Fe/H] = -0.10
最小質量:1.819 地球質量
軌道長半径:0.057638 AU
最小質量:1.720 地球質量
軌道長半径:0.067393 AU
最小質量:2.801 地球質量
軌道長半径:0.08799 AU
最小質量:2.877 地球質量
軌道長半径:0.15417 AU
これらのうち,HD 5319b, c ペアと HD 200964b, c ペアは巨大惑星,GJ 180b, c ペアはスーパーアースである.
これらの他にも発見の主張はあるが,現在係争中である (Diaz et al. 2016など).
今回発見された HD 215152 系の惑星は,軌道周期の比がそれぞれ 1.26,1.49,2.32 であった.
HD 215152b, c ペアの軌道周期比 1.26 という値は 5:4 平均運動共鳴に近いが,共鳴の外側に存在する.また HD 215152c, d ペアの 1.49 という値は 3:2 平均運動共鳴に近いが,こちらも共鳴の外側である.
arXiv:1802.04631
Delisle et al. (2018)
The HARPS search for southern extra-solar planets. XLIII. A compact system of four super-Earth planets orbiting HD 215152
(HARPS による南天の系外惑星探査 XLIII.HD 215152 を公転する 4 個のスーパーアースのコンパクトな系)
概要
HD 215152 まわりの 4 個のスーパーアース惑星の発見について報告する.これは,13 年にわたる HARPS の高品質な視線速度測定 373 セットに基づく発見である.今回発見された惑星の質量は小さいため,各惑星の軌道離心率を制約するほどのシグナルノイズ比は得られなかった.しかし暫定的な力学的解析からは,この惑星系が安定であるためには,各惑星の軌道離心率は典型的には 0.03 程度より小さい値である必要があると示唆される.
発見された惑星のうち 2 組は軌道周期比が 1.5 より小さい.惑星は短い軌道周期を持ち,低質量で低い軌道離心率であることから,この系はケプラーによって数多く見つかっている,非常にコンパクトな軌道配置を持つ複数惑星系と類似している.このような系は,視線速度サーベイでの発見例としては非常に希少である.
今回の発見は,コンパクトな軌道配置の低質量の複数惑星系は,現在の視線速度の観測技術で検出できることを証明するものであるが,そのような系の惑星を特徴付けるためには膨大な量の観測が必要である.
パラメータ
HD 215152
質量:0.77 太陽質量半径:0.73 太陽半径
スペクトル型:K3V
自転周期:42 日
有効温度:4935 K
金属量:[Fe/H] = -0.10
HD 215152b
軌道周期:5.75999 日最小質量:1.819 地球質量
軌道長半径:0.057638 AU
HD 215152c
軌道周期:7.28243 日最小質量:1.720 地球質量
軌道長半径:0.067393 AU
HD 215152d
軌道周期:10.76499 日最小質量:2.801 地球質量
軌道長半径:0.08799 AU
HD 215152e
軌道周期:25.1967 日最小質量:2.877 地球質量
軌道長半径:0.15417 AU
HD 215152 系の特徴と過去の系との比較
これまでに視線速度法で発見された複数惑星系のうち,軌道が隣り合う惑星の軌道周期の比が 1.5 より小さいものは,軌道周期比が 1.38 の HD 5319b, c ペア (Robinson et al. 2007,Giguere et al. 2015),1.34 の HD 200964b, c ペア (Johnson et al. 2011),および 1.40 の GJ 180b, c ペア (Tuomi et al. 2014) の 3 例のみである.これらのうち,HD 5319b, c ペアと HD 200964b, c ペアは巨大惑星,GJ 180b, c ペアはスーパーアースである.
これらの他にも発見の主張はあるが,現在係争中である (Diaz et al. 2016など).
今回発見された HD 215152 系の惑星は,軌道周期の比がそれぞれ 1.26,1.49,2.32 であった.
HD 215152b, c ペアの軌道周期比 1.26 という値は 5:4 平均運動共鳴に近いが,共鳴の外側に存在する.また HD 215152c, d ペアの 1.49 という値は 3:2 平均運動共鳴に近いが,こちらも共鳴の外側である.
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