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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.06064
Tuomi et al. (2018)
AD Leonis: Radial velocity signal of stellar rotation or spin-orbit resonance?
(しし座 AD 星:恒星の自転もしくは自転-軌道共鳴による視線速度シグナルか?)

概要

AD Leonis (しし座 AD 星) は,太陽系近傍にある磁気的に活発な M 型矮星である.この恒星の観測を行ったところ,測光観測での光度の変動だけではなく,2.23 日周期の視線速度の変動も発見した.発見されたのは 2 種類のシグナルで,(1) かなりの変動を示すが,視線速度シグナルに類似した短周期のシグナル,(2) 4070 日程度の長周期の活動サイクルである.

(1) の短周期の測光シグナルを,過去の ASAS と MOST での測光観測結果と比較した,その結果,そのシグナルは一貫して存在しておらず,時間の変数として大きく変化することを発見した.このシグナルは,中央値で 3.38 日 に分割されたMOST データセットの第一と第二の半分を考慮すると,およそ 0.8 ラジアンの位相変化を示す.

測光観測結果とは対照的に,視線速度のドップラーシグナルは,HAPRS と HIRES による 4700 日にわたる視線速度観測において安定して存在しており,振幅,位相,周期,あるいは抽出された波長の関数として,時間的な変動を示す様子は見られなかった.

変動の原因として,恒星にある黒点による変動に起因するというシナリオについて考察した,その結果,測光シグナルの速い変化と,恒星表面上で共回転している黒点による安定な視線速度シグナルを,同時に説明することは困難という結論に至った.
このことは,視線速度のドップラー周期性の起源は,自転と公転が共鳴した状態で公転している惑星による,重力的な影響であることを示唆している.

このようなシナリオで自転と公転のずれが存在する場合,測定された自転速度の射影速度 \(v \sin \)i は,傾斜角が 15.5 ± 2.5° であることを示唆する.また惑星と思われる伴星の質量は 0.237 ± 0.047 木星質量であることを示唆する.

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