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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1802.06241
Gao et al. (2018)
Sedimentation Efficiency of Condensation Clouds in Substellar Atmospheres
(準恒星大気中の凝縮雲の沈殿効率)

概要

準恒星天体 (substellar object,褐色矮星やガス惑星など) の大気中の凝縮雲の存在は,スペクトルや測光変動の観測から広く示唆されている.現在までに,水平方向に平均化された雲の鉛直方向の分布と平均粒子サイズは,モデルを用いて大まかに特徴付けられている.

そのようなモデルの一つは Ackerman & Marley (2001) の渦拡散-沈降モデルであり,そこでは沈降効率パラメータ \(f_{\rm sed}\) に依存して大気中の鉛直方向の雲の広がりが決まる.しかし,これらの天体の大気中の雲の鉛直構造を左右する物理プロセスはよく分かっていない.

ここでは,渦拡散係数 \(K_{zz}\),重力,物質の特性,雲形成過程の広い範囲に渡る \(f_{\rm sed}\) の傾向について,より詳細な雲の微細物理モデルを用いて計算した雲の分布をフィッティングすることで導出を試みた.その結果,\(f_{\rm sed}\) は \(K_{zz}\) に依存するが,\(K_{zz}\) が一定に保たれている時は重力には依存しないことを見出した.

\(f_{\rm sed}\) は雲粒子の核生成効率に最も敏感で,これは表面エネルギーや分子量などの物質特性によって決まる.表面エネルギーの高い物質は,数が少なく大きな雲粒子を形成し,\(f_{\rm sed}\) は大きくなる (> 1).表面エネルギーが小さい物質に対してはその逆の傾向がある.

不均一な核生成を介した雲形成の場合,\(f_{\rm sed}\) は凝結核フラックスと天体半径に敏感で,準恒星天体大気中の雲形成と,天体の形成環境とその他の大気エアロゾルとを結びつけている.

今回得られたこれらの考察は,準恒星天体の大気をよりよく理解するための,改良された雲モデルに繋がる可能性がある.例えば,\(f_{\rm sed}\) は大気中の雲底深さの増加に伴って大きくなる可能性が指摘され,褐色矮星のスペクトル型の L/T 遷移の性質へのヒントとなる可能性がある.

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