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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1508.07281
Močnik et al. (2015)
Starspots on WASP-85
(WASP-85における黒点)
この恒星はWASP-85Abの主星であり、自転周期は 13.6日である。
惑星であるWASP-85Abがこの黒点の手前を通過するというイベントが発生したが、その後同じ黒点の惑星による掩蔽が発生しなかったため、惑星の公転面は中心星の赤道面とはズレがある (10°以上)という事を示唆する結果である。
またトランジット時刻変動は検出されず、追加の惑星が存在する証拠は得られなかった。
WASP-85Aの示す明確な自転起因の光度変化の影響で、全てのフェイズ曲線の変動と二次食 (secondary eclipse)については、100 ppmの上限を決めることしか出来ない。
惑星の公転周期は 2.66日で、中心星は G2型、可視光での等級は 11.2である。
WASP-85Aは実視連星を持っており、Aより暗く低温なWASP-85Bが伴星である。
こちらはK0型、可視光での等級は 11.9である。
連星の片方は、14.6日周期の自転に起因する光度変動があり、これは恒星活動によるものだと考えられている。
そのため、惑星が黒点をトランジットした場合は光度曲線に小さい盛り上がり (bump)が見られる (Silva 2003)。
黒点と惑星のトランジットの様子から、惑星の公転面の傾きに関する情報を得ることが出来る。
これによって、惑星の公転面と恒星の赤道面が概ね一致している系や、大きくずれが生じている系などが発見されている。
黒点のトランジットから惑星の公転面の傾きを推定することが出来るんですね。
Rossiter効果以外にも測定手法があるということは知りませんでした。
arXiv:1508.07281
Močnik et al. (2015)
Starspots on WASP-85
(WASP-85における黒点)
概要
ケプラー宇宙望遠鏡のK2ミッションで得られたデータの解析から、WASP-85Aにおいて黒点を検出した。この恒星はWASP-85Abの主星であり、自転周期は 13.6日である。
惑星であるWASP-85Abがこの黒点の手前を通過するというイベントが発生したが、その後同じ黒点の惑星による掩蔽が発生しなかったため、惑星の公転面は中心星の赤道面とはズレがある (10°以上)という事を示唆する結果である。
またトランジット時刻変動は検出されず、追加の惑星が存在する証拠は得られなかった。
WASP-85Aの示す明確な自転起因の光度変化の影響で、全てのフェイズ曲線の変動と二次食 (secondary eclipse)については、100 ppmの上限を決めることしか出来ない。
その他
WASP-85系について
WASP-85Abは Brown et al. (2014)によって発見され、その後ケプラー宇宙望遠鏡のK2ミッションで追観測された。惑星の公転周期は 2.66日で、中心星は G2型、可視光での等級は 11.2である。
WASP-85Aは実視連星を持っており、Aより暗く低温なWASP-85Bが伴星である。
こちらはK0型、可視光での等級は 11.9である。
連星の片方は、14.6日周期の自転に起因する光度変動があり、これは恒星活動によるものだと考えられている。
黒点のトランジット
惑星が恒星の手前を横切ってトランジットを起こしている際に、惑星が恒星の黒点を隠した場合は、周囲より暗い部分を隠したことになるため相対的に光度が上昇する。そのため、惑星が黒点をトランジットした場合は光度曲線に小さい盛り上がり (bump)が見られる (Silva 2003)。
黒点と惑星のトランジットの様子から、惑星の公転面の傾きに関する情報を得ることが出来る。
これによって、惑星の公転面と恒星の赤道面が概ね一致している系や、大きくずれが生じている系などが発見されている。
黒点のトランジットから惑星の公転面の傾きを推定することが出来るんですね。
Rossiter効果以外にも測定手法があるということは知りませんでした。
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