×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1804.01623
Bento et al. (2018)
HATS-39b, HATS-40b, HATS-41b, and HATS-42b: Three Inflated Hot Jupiters and a Super-Jupiter Transiting F Stars
(HATS-39b,HATS-40b,HATS-41b,HATS-42b:F 型星をトランジットする 3 つの膨張ホットジュピターとスーパージュピター)
HATS-39b は質量が 0.63 木星質量で,半径は 1.57 木星半径と大きく膨張しているため,将来の透過光分光観測の良い対象となる.
HATS-41b は非常に重い惑星で,質量は 9.7 木星質量である,これまで発見数がまだ少ない,5 木星質量より重いホットジュピターの一つである.この惑星の中心星は,トランジット惑星を持つ恒星の中では最も高い金属量を持つ ([Fe/H] = 0.470).また惑星はおそらく離心率のある軌道を持っている.惑星質量が大きく,中心星は比較的若い (13.4 億歳) ということから,この惑星の軌道はまだ潮汐力によって円軌道化されきっていないという事を示している可能性がある.
金属量:[Fe/H] = 0.000
等級:V = 12.746
質量:1.379 太陽質量
半径:1.621 太陽半径
光度:4.37 太陽光度
年齢:20.6 億歳
距離:773 pc
質量:0.63 木星質量
半径:1.57 木星半径
平均密度:0.202 g cm-3
軌道長半径:0.06007 AU
平衡温度:1645 K
金属量:[Fe/H] = 0.010
等級:V = 13.377
質量:1.561 太陽質量
半径:2.26 太陽半径
光度:8.0 太陽光度
年齢:20.7 億歳
距離:1431 pc
質量:1.59 木星質量
半径:1.58 木星半径
平均密度:0.49 g cm-3
軌道長半径:0.04997 AU
平衡温度:2101 K
金属量:[Fe/H] = 0.470
等級:V = 12.681
質量:1.496 太陽質量
半径:1.71 太陽半径
光度:4.5 太陽光度
年齢:13.4 億歳
距離:800 pc
軌道離心率:0.38 ± 0.11
質量:9.7 木星質量
半径:1.33 木星半径
平均密度:5.1 g cm-3
軌道長半径:0.0583 AU
平衡温度:1710 K
金属量:[Fe/H] = 0.220
等級:V = 13.617
質量:1.273 太陽質量
半径:1.48 太陽半径
光度:2.66 太陽光度
年齢:32.6 億歳
距離:942 pc
質量:1.88 木星質量
半径:1.40 木星半径
平均密度:0.83 g cm-3
軌道長半径:0.03689 AU
平衡温度:1856 K
低質量の恒星に対しては,恒星の金属量と巨大惑星の存在頻度の関係性が知られていた (Santos et al. 2004,Fischer & Valenti 2005).
一方で Santos et al. (2017) による最近の研究では,実際には,4 木星質量以上と以下の質量を持つ 2 つの異なる惑星の集団が存在することが示唆されている.
大きな質量を持つ惑星の大部分は,質量の大きな恒星の周りで発見される (そして恒星はしばしば主系列段階から進化している).先行研究ではこの点についてさらに詳細に探査し,低質量の惑星に対しては見られている中心星金属量への依存性が,4 木星質量より大きい惑星については見られないと結論付けている.
さらに平均的には,重い巨大惑星は軽い巨大惑星と比べてわずかに低金属量な恒星の周りを公転しており,同様の質量を持つ平均的な散在星の金属量分布と整合的であるとしている.
これらの特徴は,低質量・高質量の 2 つの惑星の集団は,異なる機構で形成されたと解釈できる.すなわち,低質量の惑星はコア降着過程 (Perri & Cameron 1974,Mizuno 1980,Kennedy & Kenyon 2008) で,大質量の惑星は円盤不安定が役割を果たすその他の過程 (Cameron 1978,Boss 1998,Rafikov 2005,Nayakshin 2017) で形成されたというものである.
arXiv:1804.01623
Bento et al. (2018)
HATS-39b, HATS-40b, HATS-41b, and HATS-42b: Three Inflated Hot Jupiters and a Super-Jupiter Transiting F Stars
(HATS-39b,HATS-40b,HATS-41b,HATS-42b:F 型星をトランジットする 3 つの膨張ホットジュピターとスーパージュピター)
概要
HATSouth サーベイでの 4 つのホットジュピターの検出を報告する.発見されたものは,やや明るい (12.5 < V < 13.7),F 型矮星を公転する短周期 (2-5 日) の惑星である.惑星の半径はどれも同程度だが,質量と密度は一桁以上異なる.HATS-39b は質量が 0.63 木星質量で,半径は 1.57 木星半径と大きく膨張しているため,将来の透過光分光観測の良い対象となる.
HATS-41b は非常に重い惑星で,質量は 9.7 木星質量である,これまで発見数がまだ少ない,5 木星質量より重いホットジュピターの一つである.この惑星の中心星は,トランジット惑星を持つ恒星の中では最も高い金属量を持つ ([Fe/H] = 0.470).また惑星はおそらく離心率のある軌道を持っている.惑星質量が大きく,中心星は比較的若い (13.4 億歳) ということから,この惑星の軌道はまだ潮汐力によって円軌道化されきっていないという事を示している可能性がある.
パラメータ
HATS-39 系
HATS-39
有効温度:6572 K金属量:[Fe/H] = 0.000
等級:V = 12.746
質量:1.379 太陽質量
半径:1.621 太陽半径
光度:4.37 太陽光度
年齢:20.6 億歳
距離:773 pc
HATS-39b
軌道周期:4.5776348 日質量:0.63 木星質量
半径:1.57 木星半径
平均密度:0.202 g cm-3
軌道長半径:0.06007 AU
平衡温度:1645 K
HATS-40 系
HATS-40
有効温度:6460 K金属量:[Fe/H] = 0.010
等級:V = 13.377
質量:1.561 太陽質量
半径:2.26 太陽半径
光度:8.0 太陽光度
年齢:20.7 億歳
距離:1431 pc
HATS-40b
軌道周期:3.2642736 日質量:1.59 木星質量
半径:1.58 木星半径
平均密度:0.49 g cm-3
軌道長半径:0.04997 AU
平衡温度:2101 K
HATS-41 系
HATS-41
有効温度:6424 K金属量:[Fe/H] = 0.470
等級:V = 12.681
質量:1.496 太陽質量
半径:1.71 太陽半径
光度:4.5 太陽光度
年齢:13.4 億歳
距離:800 pc
HATS-41b
軌道周期:4.193649 日軌道離心率:0.38 ± 0.11
質量:9.7 木星質量
半径:1.33 木星半径
平均密度:5.1 g cm-3
軌道長半径:0.0583 AU
平衡温度:1710 K
HATS-42 系
HATS-42
有効温度:6060 K金属量:[Fe/H] = 0.220
等級:V = 13.617
質量:1.273 太陽質量
半径:1.48 太陽半径
光度:2.66 太陽光度
年齢:32.6 億歳
距離:942 pc
HATS-42b
軌道周期:2.2921020 日質量:1.88 木星質量
半径:1.40 木星半径
平均密度:0.83 g cm-3
軌道長半径:0.03689 AU
平衡温度:1856 K
議論
今回発見された惑星の中で,特に興味深いのは HATS-41b である.中心星の HATS-41 は,トランジット惑星を持つ恒星としては,これまでで最も高い金属量を持っている.低質量の恒星に対しては,恒星の金属量と巨大惑星の存在頻度の関係性が知られていた (Santos et al. 2004,Fischer & Valenti 2005).
一方で Santos et al. (2017) による最近の研究では,実際には,4 木星質量以上と以下の質量を持つ 2 つの異なる惑星の集団が存在することが示唆されている.
大きな質量を持つ惑星の大部分は,質量の大きな恒星の周りで発見される (そして恒星はしばしば主系列段階から進化している).先行研究ではこの点についてさらに詳細に探査し,低質量の惑星に対しては見られている中心星金属量への依存性が,4 木星質量より大きい惑星については見られないと結論付けている.
さらに平均的には,重い巨大惑星は軽い巨大惑星と比べてわずかに低金属量な恒星の周りを公転しており,同様の質量を持つ平均的な散在星の金属量分布と整合的であるとしている.
これらの特徴は,低質量・高質量の 2 つの惑星の集団は,異なる機構で形成されたと解釈できる.すなわち,低質量の惑星はコア降着過程 (Perri & Cameron 1974,Mizuno 1980,Kennedy & Kenyon 2008) で,大質量の惑星は円盤不安定が役割を果たすその他の過程 (Cameron 1978,Boss 1998,Rafikov 2005,Nayakshin 2017) で形成されたというものである.
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック