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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1805.01281
Carleo et al. (2018)
Multi-band high resolution spectroscopy rules out the hot Jupiter BD+20 1790b - First data from the GIARPS Commissioning
(多バンド高分解能分光がホットジュピター BD+20 1790b を否定する - GIARPS 試験運用からの最初のデータ)

概要

若い系で系外惑星を視線速度法を用いて検出する際は,恒星の活動の影響を大きく受ける.

ここでは,若く活発な K5 星 BD+20 1790 の視線速度変動の性質を明確に識別することを目標とした.この天体は,可視光での視線速度測定から,準恒星質量の伴星の存在においてそれぞれの観測が異なる結果を示している天体である.

この天体の可視光での視線速度データを,高精度の近赤外線の視線速度データと比較した.またGIARPS (GIANO-B と HARPS-N) での,可視光と近赤外での同時観測を初めて実施した.

惑星の軌道運動によって引き起こされる視線速度の変動は波長依存性を示さないため,視線速度変動の様子は異なる波長で変化しない.一方で恒星活動は,波長依存性のある視線速度変動を誘起する.恒星活動による視線速度成分の変動は,可視光領域に対して近赤外領域では著しく減少する.

観測の結果,近赤外線での視線速度測定結果は,過去に公開された可視光でのデータに対して 1/4 程度の平均振幅であった.これは,視線速度変動が恒星活動に起因する場合に期待される結果である.

同時期の多バンド測光は,驚くべきことに近赤外領域で大きな視線速度振幅を示す.これは,同じ活動領域に低温と高温のスポットが混在していると考えることで説明できる.

結果として,この天体の周りに存在が主張されていた重い惑星 (BD+20 1790b) は,今回のデータ中では存在に否定的な結果となった

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