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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1805.04429
van Lieshout et al. (2018)
Exoplanet recycling in massive white-dwarf debris discs
(重い白色矮星デブリ円盤での系外惑星リサイクリング)

概要

数十個の白色矮星は,ダストのデブリからなる星周円盤を持つことが分かっている.これらは,恒星が持っていた惑星系の残骸に起源を持つ,岩石天体の潮汐破壊によって形成されたと考えられる.

ここでは,そのような白色矮星周りの円盤が非常に重い場合の進化を調べる.円盤の前駆天体が,地球型惑星,月,または準惑星サイズの天体であった場合に,重い円盤が形成され得る.

デブリ円盤が物理的に薄く平坦な構造を持っていると仮定する.土星の環のような構造がその例である,この場合の円盤進化は,ポインティング・ロバートソン抵抗か,粘性拡散によって支配される.ここでの円盤の実効粘性は,自己重力によって引き起こされるウェイク構造に起因する.

デブリ円盤の質量が 1026 g より重い場合,潮汐破壊領域の外側部分に位置している円盤領域では,進化は粘性拡散によって支配され,円盤の質量は内側と外側の両方へ輸送される.
円盤外側に拡散していく物質がロッシュ限界を超えて流れた場合,これらは新しい (小)惑星へと凝集する.これは,土星の環の外縁で進行している moonlet (小衛星) の形成過程と類似したものである.

新しく形成された小衛星は,円盤と角運動量を交換することで外側へ移動し,小衛星同士の相互衝突を介してより大きな天体へと集積していく.結果的に,円盤物質のロッシュ限界半径からの流出によって,元々の円盤質量の 10% が新たな天体形成としてリサイクルされる

大部分のケースでは最終的に,円盤の外縁と 2:1 平均運動共鳴と近い状態になっている,単独の大きな天体になる.従って,例えば潮汐破壊されたスーパーアースが再利用されることによって,20 - 100 億歳の白色矮星のハビタブルゾーン内に位置する,軌道周期 10 時間程度の地球質量の天体が形成され得る.

円盤内でのリサイクリング過程は,ロッシュ限界のすぐ外側でのより小さい天体の集まりを形成する場合もある.これは最近存在することが主張されている,WD 1145+017 まわりの小惑星を説明する可能性がある.

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