×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1805.05355
Becker et al. (2018)
Discovery and Dynamical Analysis of an Extreme Trans-Neptunian Object with a High Orbital Inclination
(大きな軌道傾斜角を持った極端な太陽系外縁天体の発見と力学的解析)
発見時は太陽から 55 AU の位置にあり,絶対等級 Hr = 4.3 である.
1110 日間に渡る観測結果からこの天体の現在の軌道を決定した.
軌道長半径はおよそ 450 AU,軌道離心率は 0.92,軌道傾斜角は 54° である.これらの軌道要素から,この天体は現在発見されている中で最も極端な軌道を持つ TNO のひとつと言える.
この天体の軌道安定性と軌道進化についての議論を,太陽系内の 4 つの巨大惑星の影響を考慮して行った.その結果この天体が,軌道長半径の急速な拡散と,より拘束された離心率と傾斜角の変化を含む,豊かな力学的な挙動を示すことが判明した.
また Planet Nine 仮説に基づいた,長期的な軌道安定性と軌道進化の振る舞いについても考察した,その結果,この天体は Planet Nine の存在に関する状況証拠の一例となりうることが分かった.
arXiv:1805.05355
Becker et al. (2018)
Discovery and Dynamical Analysis of an Extreme Trans-Neptunian Object with a High Orbital Inclination
(大きな軌道傾斜角を持った極端な太陽系外縁天体の発見と力学的解析)
概要
太陽系外縁天体 (trans-Neptunian object, TNO) 2015 BP519 の発見と,その力学的解析について報告する.これは extreme Trans-Neptunian Object に属する天体であり,Dark Energy Survey での観測から発見された.発見時は太陽から 55 AU の位置にあり,絶対等級 Hr = 4.3 である.
1110 日間に渡る観測結果からこの天体の現在の軌道を決定した.
軌道長半径はおよそ 450 AU,軌道離心率は 0.92,軌道傾斜角は 54° である.これらの軌道要素から,この天体は現在発見されている中で最も極端な軌道を持つ TNO のひとつと言える.
この天体の軌道安定性と軌道進化についての議論を,太陽系内の 4 つの巨大惑星の影響を考慮して行った.その結果この天体が,軌道長半径の急速な拡散と,より拘束された離心率と傾斜角の変化を含む,豊かな力学的な挙動を示すことが判明した.
また Planet Nine 仮説に基づいた,長期的な軌道安定性と軌道進化の振る舞いについても考察した,その結果,この天体は Planet Nine の存在に関する状況証拠の一例となりうることが分かった.
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック