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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1806.01181
Diez Alonso et al. (2018)
Two planetary systems with transiting Earth-size and super-Earth planets orbiting late-type dwarf stars
(晩期型矮星を公転するトランジット地球サイズとスーパーアース惑星の 2 惑星系)
1 つ目は EPIC 248545986 (以下 K2-XX1 とする) であり,スペクトル型は M3.0V である.K2 の Campaign 14 で観測された.3 個の地球サイズ惑星が検出された.これらはコンパクトな軌道配置にあり,軌道周期比が 2:3:4 軌道共鳴に近い.
2 つ目は EPIC 249801827 (以下 K2-XX2 とする) であり,スペクトル型は M0.5V である.こちらは Campaign 15 で観測された.2 個のスーパーアース惑星が検出された.
これらの惑星の大気の平衡温度は 380 - 600 K の範囲内と推定され,大気の透過光分光のシグナル強度は ~ 10 ppm と推定される.
フォローアップ観測は,K2-XX1 はスペイン・カナリア諸島の La Palma にある, Observatorio Roque de los Muchachos の 10.4m Gran Telescopio Canarias (GTC) を使用して分光観測を行い.恒星の特徴付けを行った.また恒星の視線速度も測定した.その結果,この恒星は銀河系の薄い円盤に属する恒星だと推定される.
K2-XX2 は Radial Velocity Experiment (RAVE) で観測され.同じく銀河系の薄い円盤に属する恒星と推定される.
有効温度:3420 K
金属量:[Fe/H] = -0.1
半径:0.36 太陽半径
質量:0.40 太陽質量
光度:0.016 太陽光度
距離:49 pc
軌道長半径:0.0441 AU
半径:1.1 地球半径
平衡温度:502 K
軌道長半径:0.0576 AU
半径:1.0 地球半径
平衡温度:427 K
軌道長半径:0.0685 AU
半径:1.1 地球半径
平衡温度:399 K
K2-XX1b, c, d の質量推定値から想定される視線速度の振幅の大きさは,軌道が円軌道だと仮定すると,それぞれ 0.9, 0.5, 0.7 m/s となる.これらは,ESPRESSO のような極めて安定した分光装置を用いた視線速度測定で観測可能であると考えられる.
惑星大気による透過スペクトルの振幅は,透過スペクトルの有効大気スケールハイトが大気スケールハイトの 7 倍 (Miller-Ricci & Fortney 2010),透過性の揮発性物質主体の大気で平均分子量が 20 で,ボンドアルベドが 0.3 の場合,それぞれ 12, 11, 10 ppm と推定される.
Mercury パッケージを用いて系の進化を計算した結果,大きな離心率や傾斜角変化は見られなかった,従ってこの系は力学的に安定と結論付けられる.
有効温度:3810 K
金属量:[Fe/H] = -0.1
半径:0.54 太陽半径
質量:0.58 太陽質量
光度:0.053 太陽光度
自転周期:10.8 日
距離:70 pc
軌道長半径:0.0513 AU
半径:2.0 地球半径
平衡温度:586 K
軌道長半径:0.1159 AU
半径:1.8 地球半径
平衡温度:389 K
K2-XX2b, c の質量推定値から想定される視線速度の振幅の大きさは,軌道が円軌道だと仮定すると,それぞれ 2.5, 1.5 m/s となる.
惑星大気による透過スペクトルの振幅は,同様にそれぞれ 12, 66 ppm と推定される.
Mercury パッケージを用いて系の進化を計算した結果,大きな離心率や傾斜角変化は見られなかった,従ってこの系は力学的に安定と結論付けられる.
arXiv:1806.01181
Diez Alonso et al. (2018)
Two planetary systems with transiting Earth-size and super-Earth planets orbiting late-type dwarf stars
(晩期型矮星を公転するトランジット地球サイズとスーパーアース惑星の 2 惑星系)
概要
ケプラーの K2 ミッションの観測データから,低温の矮星の周りに新しい 2 つの惑星系を発見した.1 つ目は EPIC 248545986 (以下 K2-XX1 とする) であり,スペクトル型は M3.0V である.K2 の Campaign 14 で観測された.3 個の地球サイズ惑星が検出された.これらはコンパクトな軌道配置にあり,軌道周期比が 2:3:4 軌道共鳴に近い.
2 つ目は EPIC 249801827 (以下 K2-XX2 とする) であり,スペクトル型は M0.5V である.こちらは Campaign 15 で観測された.2 個のスーパーアース惑星が検出された.
これらの惑星の大気の平衡温度は 380 - 600 K の範囲内と推定され,大気の透過光分光のシグナル強度は ~ 10 ppm と推定される.
フォローアップ観測は,K2-XX1 はスペイン・カナリア諸島の La Palma にある, Observatorio Roque de los Muchachos の 10.4m Gran Telescopio Canarias (GTC) を使用して分光観測を行い.恒星の特徴付けを行った.また恒星の視線速度も測定した.その結果,この恒星は銀河系の薄い円盤に属する恒星だと推定される.
K2-XX2 は Radial Velocity Experiment (RAVE) で観測され.同じく銀河系の薄い円盤に属する恒星と推定される.
パラメータ
K2-XX1 系
K2-XX1
等級:V = 14.549有効温度:3420 K
金属量:[Fe/H] = -0.1
半径:0.36 太陽半径
質量:0.40 太陽質量
光度:0.016 太陽光度
距離:49 pc
K2-XX1b
軌道周期:5.240 日軌道長半径:0.0441 AU
半径:1.1 地球半径
平衡温度:502 K
K2-XX1c
軌道周期:7.775 日軌道長半径:0.0576 AU
半径:1.0 地球半径
平衡温度:427 K
K2-XX1d
軌道周期:10.115 日軌道長半径:0.0685 AU
半径:1.1 地球半径
平衡温度:399 K
K2-XX1 系について
Weiss & Marcy (2014) の,1.5 地球半径以下の惑星に対する質量と半径の関係性を用いると,それぞれの惑星質量は K2-XX1b が 1.4 地球質量,c が 0.9 地球質量,d が 1.3 地球質量と推定される.K2-XX1b, c, d の質量推定値から想定される視線速度の振幅の大きさは,軌道が円軌道だと仮定すると,それぞれ 0.9, 0.5, 0.7 m/s となる.これらは,ESPRESSO のような極めて安定した分光装置を用いた視線速度測定で観測可能であると考えられる.
惑星大気による透過スペクトルの振幅は,透過スペクトルの有効大気スケールハイトが大気スケールハイトの 7 倍 (Miller-Ricci & Fortney 2010),透過性の揮発性物質主体の大気で平均分子量が 20 で,ボンドアルベドが 0.3 の場合,それぞれ 12, 11, 10 ppm と推定される.
Mercury パッケージを用いて系の進化を計算した結果,大きな離心率や傾斜角変化は見られなかった,従ってこの系は力学的に安定と結論付けられる.
K2-XX2 系
K2-XX2
等級:V = 13.392有効温度:3810 K
金属量:[Fe/H] = -0.1
半径:0.54 太陽半径
質量:0.58 太陽質量
光度:0.053 太陽光度
自転周期:10.8 日
距離:70 pc
K2-XX2b
軌道周期:6.034 日軌道長半径:0.0513 AU
半径:2.0 地球半径
平衡温度:586 K
K2-XX2c
軌道周期:20.523 日軌道長半径:0.1159 AU
半径:1.8 地球半径
平衡温度:389 K
K2-XX2 系について
Weiss & Marcy (2014) の,1.5 地球半径以下の惑星に対する質量と半径の関係性を用いると,それぞれの惑星質量は K2-XX2b が 5.0 地球質量,c が 4.6 地球質量と推定される.K2-XX2b, c の質量推定値から想定される視線速度の振幅の大きさは,軌道が円軌道だと仮定すると,それぞれ 2.5, 1.5 m/s となる.
惑星大気による透過スペクトルの振幅は,同様にそれぞれ 12, 66 ppm と推定される.
Mercury パッケージを用いて系の進化を計算した結果,大きな離心率や傾斜角変化は見られなかった,従ってこの系は力学的に安定と結論付けられる.
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