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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。





arXiv:1509.03123
Narita et al. (2015)
Titania may produce abiotic oxygen atmospheres on habitable exoplanets
(チタニアがハビタブル惑星に非生物性の酸素大気を生成する可能性)

概要

ハビタブルな系外惑星の研究において、生命が存在するか?という点は大きなマイルストーンである。
これまで、大気中の酸素は光合成をする生物が存在することを示す強い証拠だと考えられてきた。

ここでは、これまで考えられてこなかった、酸化チタン(IV) (チタニア, titania)の光化学反応に着目した。
系外惑星の表面において、近紫外線 (near ultraviolet, NUV)が存在する環境下では、液体の水から非生物性の酸素分子が生成され得る
チタニアは液体の水を分解する光触媒として作用する。
このメカニズムは、これまで考えられてきた、極端紫外線による高層大気での気相の水分子の光解離という非生物的な酸素生成プロセスとは異なるものである。

オーダーでの見積もりからは、この非生物的な酸素生成による大気中の酸素存在度は、現在の地球の酸素存在量と同程度か、多くなることもあり得る。
ただし存在量は、この反応に対してアクティブな表面の面積に依存する。
そのため、チタニアはハビタブルな系外惑星における生命存在の"偽の兆候"の原因となり得る






関連ページとして
自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンターのプレスリリース
自然科学研究機構 分子科学研究所のプレスリリース
があります。

地球に存在する酸素は、光合成を行う生物が地球に出現した後に徐々に大気中に蓄積していったものなので、生物の存在と密接な関連があります。
そのため系外惑星においても、大気から一定量の酸素を検出できた場合は、光合成を起こす生命が存在する強い証拠になり得ると考えられてきました。
しかし、非生物由来の酸素も存在する可能性があります。

これまでは、大気中の水分子が極端紫外線で分解されることで酸素が生成されるというプロセスも提案されていましたが、ここでは地表の酸化チタン(IV)と水の光触媒反応によっても相当量の酸素分子が生成されるという事を示した結果です。

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