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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1809.09009
Bailer-Jones et al. (2018)
Plausible home stars of the interstellar object 'Oumuamua found in Gaia DR2
(Gaia DR2 から発見した恒星間天体オウムアムアのもっともらしい母星)

概要

初めて検出された恒星間天体のオウムアムアは,2017 年 9 月 9 日に太陽から 0.25 au 以内の地点を通過した.この天体は,他の恒星系から放出されたものだと考えられる.

オウムアムアの新しく決定された非ケプラー的な軌跡と,Gaia DR2 の位置天文学データを元にした 7 百万個の恒星の再構築された銀河系内の軌道の情報を用いて,過去の恒星との近接遭遇イベントを同定した.このような “遭遇” イベントを元にして,オウムアムアが放出された母星系を特定できる可能性がある.

その結果,最も近い遭遇は,0.60 pc の距離を通過したイベントで,M2.5 矮星の HIP 3757 であった.遭遇時の相対速度は 24.7 km/s で 100万年前に遭遇が発生したと推定される.

より離れた位置での近接遭遇 (1.6 pc) だが,より低い遭遇速度 (放出速度) 10.7 km/s を持つのは,G5 矮星の HD 292249 で,遭遇は 380 万年前である.
さらに 2 つの恒星が,距離と相対速度がこれらの中間くらいの値で遭遇している.

近接遭遇のパラメータは,オウムアムアの 6 つの異なる非重力的軌道に対して同様である.
巨大惑星による重力散乱によってオウムアムアが母星系から放出されたというシナリオは妥当ではあるが,観測された大きな速度を達成するには,いくらか起こりにくそうな軌道配置を必要とする.

観測されたオウムアムア速度を達成するには,連星系からの放出というのが有り得そうなシナリオである.なお,今回抽出した 4 つの母天体候補は,どれも連星であることや系外惑星を持つという報告は無い.

Gaia DR2 のデータ中に含まれる,6 次元位相空間情報を持った 700 万個の恒星が,最終的に軌道を再構成できる全ての恒星のほんの一部に過ぎないことを考えると,現在の捜索でオウムアムアの母天体が発見される可能性はあまりない.オウムアムアは 100 万年の間に 20 個の恒星・褐色矮星と 1 pc 以内の距離を通過する近接遭遇を経験した予想されているため,母天体の妥当性は適切な (低い) 遭遇速度にも依存する.

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