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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1811.00011
Pinhas et al. (2018)
H2O abundances and cloud properties in ten hot giant exoplanets
(10 個の高温な巨大系外惑星の水存在度と雲の特性)

概要

系外惑星の透過分光観測では,大気の化学組成を精密に測定できる可能性がある.特にホットジュピターの場合は,天体サイズが大きいことと温度が高いことから,そのような観測に適している.

現在までに,ホットジュピターのいくつかの透過スペクトルが得られており,太陽金属量の雲なし大気を持つ場合の予測に比べて,水蒸気によるスペクトルの特徴の振幅が小さいことが分かっている.このような大気でのスペクトル振幅が小さい原因としては,大気の一部にエアロゾルが存在するためか,あるいは本質的に大気中の水の存在度が低いためかのどちらの可能性もあり得る.

最近の 10 個のホットジュピターにおける透過スペクトルのサーベイは,これらの大気の雲/ヘイズ特性を明らかにするために経験的な手法を用いたが,これらの惑星大気で水が欠乏している証拠は得られなかった.
ここでは,全体のサンプルで詳細かつ一様な大気復元解析を行い,大気中の水の存在度,雲の特性,昼夜境界の温度分布,化学種の検出の有意性について報告する.

その結果,ホットジュピターの大部分は昼夜境界領域では太陽より低い水の存在度と整合的であることを発見した.水の存在度の範囲は log(H2O) = -5.04 - -3.16 と推定される.太陽組成の化学平衡状態と比較すると,0.018 - 1.40 太陽組成に相当する.

水の他に,その他の化学種と雲・ヘイズ特性への統計的な制約についても報告する.これは大気の雲・ヘイズ被覆率も含み,これは 0.18 - 0.76 と推定される.

復元された水の存在度は,これらの惑星大気が太陽より低い酸素存在量を持っているか,あるいは太陽より大きい C/O 比を持っていることを示唆している.また高温な巨大惑星の形成と移動経路に対して重要な制約を与えうる.

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