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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1811.03202
Gupta & Schlichting (2018)
Sculpting the Valley in the Radius Distribution of Small Exoplanets as a by-product of Planet Formation: The Core-Powered Mass-Loss Mechanism
(惑星形成の副産物としての小さい系外惑星の半径分布の谷の形成:コア駆動質量損失機構)

概要

最近の観測では,小さい短周期系外惑星は惑星サイズにおいて二峰性の分布を持ち,1.5 - 2.0 地球半径には惑星存在度の「谷」があることが分かっている.ここでは,惑星自身の冷却光度が熱進化と大気の質量損失 (core-powered mass-loss,コア駆動の質量損失) に与える影響について調査した
.またその結果を,小さい近接系外惑星の半径分布の観測的結果と比較した.

シンプルな解析的記述と数値シミュレーションから,コア駆動の質量損失機構のみで惑星進化を再現し (大気の光蒸発を含めない),半径-軌道周期分布において観測されている分布の「谷」を説明することができた.また,半径-軌道周期パラメータ空間における「谷」の位置,形状および傾きと,谷の上下における惑星存在頻度の相対強度が一致した.

惑星半径-軌道周期平面における谷の傾きは,一次近似として,ボンディ半径における大気質量損失のタイムスケールで決定できることが分かった,
\(d \log R_{\rm p}/d \log P \simeq 1/\left(3\left(1-\beta\right)\right)\simeq -0.11\)
コアの質量と半径の関係は
\(M_{\rm c}\propto R_{\rm c}^{\beta} \)
である.

この近似式では,\(\beta\simeq 4\) のときが観測とよく合う.これは惑星コアの内部圧縮が地球よりも強いことを裏付ける.また谷の位置は非圧縮状態のコア密度の \(\rho_{\rm c*}^{-4/9}\) でスケールできることを見出し,観測された惑星のポピュレーションは岩石コアで典型的な水氷割合が 20% 程度以下であるものが大部分であることを示す.また,谷の上下における惑星存在頻度の相対比は惑星質量分布の詳細に敏感だが,谷の位置はそうではないことを発見した.

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