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連星になっている原始星の周りに原始惑星系円盤が発見されたのだけど、それぞれの円盤の角度はかなり傾いている、という観測結果が得られたようです。
互いに傾いた原始惑星系円盤を連星系で発見
(AstroArts記事)
連星系のそれぞれに円盤があって、それが傾いていることが判明したのは、おうし座HK星という天体。
リンク先の記事に写真が載っているけど、電波望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡の画像を合成して見やすく加工してあるとはいえ、実に見事に両者の円盤が撮影されててビックリです。
やはりALMA望遠鏡の威力はすさまじいです。
原始惑星系円盤自体の観測は結構前からされているけど、かつては円盤は間接的な観測でしか見られませんでした。
中心の天体が明るいからそのままでは見えないのは当然なんだけれど、スペクトルを調べてやると円盤からの放射も見られるんですね。
中心星が単独で存在していて円盤が無い場合は当然中心星のスペクトルしか見えないけど、周りに円盤があると円盤の熱放射による赤外線も見えるわけです。
だから、スペクトルを調べてやって波長が長い方に特徴的な構造が現れて、それで原始惑星系円盤の存在を間接的に知ることができるということです。
その赤外線領域のスペクトルの見え方で、生まれたての星と円盤の段階を分類することもあるんだけれど、最近はもっと詳しく観測できるようになったため、記事にあるみたいな円盤の画像そのものを取得することも可能に。
特に最近本格的に観測を始めたALMAを使うと、円盤の構造まで明らかにできます。
円盤の構造ものっぺりと一様なのばかりじゃなく、中心星付近に穴が開いた円盤や、途中にギャップ構造のある円盤や、スパイラル上の腕が形成されている円盤などなど、バラエティ豊かなのも分かって来ています。
原始惑星系円盤がいろいろな構造を取るにはちゃんと理由があるはずで、いろいろ理論もあるのだけどまだ分かっていないことも多い。
例えば、ギャップが空いている円盤だとギャップ内に惑星が形成されてれば比較的簡単に説明ができるけど、他の観測ではギャップの中には惑星らしき天体は発見されていない、などです。
さて今回の発見では、連星周りの円盤がお互いにかなり傾いているとのこと。
連星系ではお互いの重心の周りを公転しあっているわけだから、その周りの円盤にあるガスや塵も連星が回る平面上と同一平面上にあるだろうというのがもっともざっくりとした予想というわけです。
ただ、そうなっていなければならない理由があるわけじゃなく、連星だったら相手方の円盤に悪さをして円盤面が傾いたり、そもそも形成過程次第では円盤の向きが揃っている必要はないわけですね。
記事の最後にもありますが、連星系の円盤がどのようになっているのか、サンプル数がもっと増えれば面白いことが言えるのかもしれません。
原始惑星系円盤が傾いていると何が起きるかと言うと、その中で形成される惑星の軌道も必然的に傾くことになるため、非常に傾いた軌道を持つ惑星の存在を説明できるかもしれないのです。
太陽系の惑星はみんな大体同じ平面にあって、太陽の自転の向きともほとんど一致してるけど、太陽系外惑星の中にはそうでないものもいくつか発見されてます。
極端なものだと、恒星の自転とは真逆の方向に公転しているものもあって、これは通常の惑星形成理論では説明できません。
他の惑星や伴星の影響で軌道が徐々に変えられて逆行軌道になったという説や、惑星同士の散乱で軌道が乱されてへんてこな軌道になったという説などが提案されていますが、確たる証拠はありません。
他にも、惑星を複数持っている系で軌道が大きく傾いているという例も発見されていて、こっちの説明もなかなか困難です。
惑星同士の散乱で軌道が傾いたならそれぞれの惑星の軌道はバラバラになっちゃうし、他の伴星の影響も、複数の惑星の軌道すべてを同一平面上を保ったまま大きく傾けるなんてことが可能なのか未知数です。
そのほかに考えられる理由としては、惑星ができる頃、原始惑星系円盤の段階からすでに傾いていたから、その傾いた円盤の中でいくつか惑星が形成されたら当然惑星の軌道は大きく傾きつつ同一平面上にあるよね、というものがあります。
今回の発見のような、連星系で原始惑星系円盤が大きく傾くという現象がそう珍しくない出来事なのであれば、恒星の自転から大きくずれた方向に公転する惑星の存在も珍しくない可能性があります。
いずれにせよ、ALMAでもっと他の観測例が上がるとおもしろいですね。
互いに傾いた原始惑星系円盤を連星系で発見
(AstroArts記事)
連星系のそれぞれに円盤があって、それが傾いていることが判明したのは、おうし座HK星という天体。
リンク先の記事に写真が載っているけど、電波望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡の画像を合成して見やすく加工してあるとはいえ、実に見事に両者の円盤が撮影されててビックリです。
やはりALMA望遠鏡の威力はすさまじいです。
原始惑星系円盤自体の観測は結構前からされているけど、かつては円盤は間接的な観測でしか見られませんでした。
中心の天体が明るいからそのままでは見えないのは当然なんだけれど、スペクトルを調べてやると円盤からの放射も見られるんですね。
中心星が単独で存在していて円盤が無い場合は当然中心星のスペクトルしか見えないけど、周りに円盤があると円盤の熱放射による赤外線も見えるわけです。
だから、スペクトルを調べてやって波長が長い方に特徴的な構造が現れて、それで原始惑星系円盤の存在を間接的に知ることができるということです。
その赤外線領域のスペクトルの見え方で、生まれたての星と円盤の段階を分類することもあるんだけれど、最近はもっと詳しく観測できるようになったため、記事にあるみたいな円盤の画像そのものを取得することも可能に。
特に最近本格的に観測を始めたALMAを使うと、円盤の構造まで明らかにできます。
円盤の構造ものっぺりと一様なのばかりじゃなく、中心星付近に穴が開いた円盤や、途中にギャップ構造のある円盤や、スパイラル上の腕が形成されている円盤などなど、バラエティ豊かなのも分かって来ています。
原始惑星系円盤がいろいろな構造を取るにはちゃんと理由があるはずで、いろいろ理論もあるのだけどまだ分かっていないことも多い。
例えば、ギャップが空いている円盤だとギャップ内に惑星が形成されてれば比較的簡単に説明ができるけど、他の観測ではギャップの中には惑星らしき天体は発見されていない、などです。
さて今回の発見では、連星周りの円盤がお互いにかなり傾いているとのこと。
連星系ではお互いの重心の周りを公転しあっているわけだから、その周りの円盤にあるガスや塵も連星が回る平面上と同一平面上にあるだろうというのがもっともざっくりとした予想というわけです。
ただ、そうなっていなければならない理由があるわけじゃなく、連星だったら相手方の円盤に悪さをして円盤面が傾いたり、そもそも形成過程次第では円盤の向きが揃っている必要はないわけですね。
記事の最後にもありますが、連星系の円盤がどのようになっているのか、サンプル数がもっと増えれば面白いことが言えるのかもしれません。
原始惑星系円盤が傾いていると何が起きるかと言うと、その中で形成される惑星の軌道も必然的に傾くことになるため、非常に傾いた軌道を持つ惑星の存在を説明できるかもしれないのです。
太陽系の惑星はみんな大体同じ平面にあって、太陽の自転の向きともほとんど一致してるけど、太陽系外惑星の中にはそうでないものもいくつか発見されてます。
極端なものだと、恒星の自転とは真逆の方向に公転しているものもあって、これは通常の惑星形成理論では説明できません。
他の惑星や伴星の影響で軌道が徐々に変えられて逆行軌道になったという説や、惑星同士の散乱で軌道が乱されてへんてこな軌道になったという説などが提案されていますが、確たる証拠はありません。
他にも、惑星を複数持っている系で軌道が大きく傾いているという例も発見されていて、こっちの説明もなかなか困難です。
惑星同士の散乱で軌道が傾いたならそれぞれの惑星の軌道はバラバラになっちゃうし、他の伴星の影響も、複数の惑星の軌道すべてを同一平面上を保ったまま大きく傾けるなんてことが可能なのか未知数です。
そのほかに考えられる理由としては、惑星ができる頃、原始惑星系円盤の段階からすでに傾いていたから、その傾いた円盤の中でいくつか惑星が形成されたら当然惑星の軌道は大きく傾きつつ同一平面上にあるよね、というものがあります。
今回の発見のような、連星系で原始惑星系円盤が大きく傾くという現象がそう珍しくない出来事なのであれば、恒星の自転から大きくずれた方向に公転する惑星の存在も珍しくない可能性があります。
いずれにせよ、ALMAでもっと他の観測例が上がるとおもしろいですね。
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