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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1902.04100
Moro-Martín et al. (2019)
Could 1I/'Oumuamua be an icy fractal aggregate ejected from a protoplanetary disk? A fluffy radiation-pressure-driven scenario
(オウムアムアは原始惑星系円盤から放出された氷のフラクタル凝集体でありうるか?空隙率の高い放射圧駆動シナリオ)

概要

オウムアムアは初めての星間空間からの天体であり,非重力的な加速も見せていることが報告されている (Micheli et al. 2018).

非重力的な加速については,オウムアムアからの脱ガスによるとする仮説が提案されている.しかしスピッツァー宇宙望遠鏡の観測からの脱ガス量への厳しい上限値を考えると,一般的な揮発性物質の相対的な存在量が彗星のものと大幅に異なっていない限り,脱ガス由来の加速とは考えづらいという事が指摘されている (Trilling et al. 2018).

代替説として Bialy & Loeb (2018) では,この特徴的な加速は太陽の輻射圧によるものだと提案している.この仮説が正しかった場合オウムアムアは,未知の天然の物質もしくは人工物による平面状のシート形状をしている必要があると考えられる.


ここでは,輻射圧によって非重力的な加速が発生しているとする仮説について,オウムアムアの形状ではなく内部構造の違いによってこの仮説を支持し得るかを評価した.

天体の内部がフラクタル構造であることを仮定する.この場合,非重力的な加速を輻射圧で説明するのに必要な面積質量比を実現するためには,オウムアムアは非常に空隙の多い 10-5 g cm-3 程度の密度を持つ必要がある

このような空隙率の高いアグリゲイトは,原始惑星系円盤のスノーラインを超えたところでの氷ダスト粒子の衝突成長によって自然に形成されうる.そのためオウムアムアはこのような部類に属する天体であると提案する.

この仮説はさらなる調査を行う価値がある.なぜなら,もしこの仮説が本当であれば,オウムアムアは他の恒星の周りでの惑星の材料物質を研究するための新しい観測ウィンドウを開いた可能性があること,また惑星形成モデルにこれまでにない制約を与えることが可能であるからである.

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