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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1903.02303
Kislyakova et al. (2019)
Transit Ly-α signatures of terrestrial planets in the habitable zones of M dwarfs
(M 矮星のハビタブルゾーン内の地球型惑星の Lyα トランジットの特徴)

概要

M 矮星 GJ 436 のハビタブルゾーン内を公転している可能性がある,仮説上の地球サイズ惑星の Lyα でのトランジットの特徴のモデル化を行った.

系外地球型惑星の Lyα 波長でのトランジット深さを,3 つのタイプの大気を仮定して推定した.水素主体の大気,窒素主体の大気,および窒素主体で地球と同量の水素を含んでいる大気である.全てのタイプの大気で,恒星の Lyα 線中に生成するトランジット中の吸収を計算した.

また,これをハッブル宇宙望遠鏡で得られている GJ 436 のトランジット外の Lyα の観測に適用した.トランジットの特徴が検出可能かどうかを決定するために,観測の不定性を伴ったトランジット中の吸収を計算して比較を行った.さらにモデルを実証するため,このモデルを用いて GJ 436b のトランジットの最中に観測されている深い吸収の特徴をシミュレートし,観測を再現する能力があることを示した.

モデルでは,直接モンテカルロシミュレーション (direct simulation Monte Carlo, DSMC) を使用し,惑星の外気圏をモデル化した.計算コードはいくつかの分子種を含んでおり,中性粒子とイオンをトレースする.また,いくつかの電離機構を含む.例えば恒星風との電荷交換,光電子衝突の電離,電子衝突による電離,また粒子衝突をトレースできる.DSMC モデルの下端境界では,大気密度と温度,速度を,低層大気の流体力学モデルから得たもので与えている.


その結果,ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されている Space Telescope Imaging Spectrograph (STIS) を用いた観測では,GJ 436 まわりのハビタブルゾーンを公転する小さい岩石地球類似惑星の場合,水素主体の大気のみが暫定的に検出可能であることが示された純粋な窒素大気の場合も,窒素主体で地球類似の水素の高層大気への濃集がある大気を持つ惑星も,検出が出来ないことが判明した

また GJ 436b の Lyα 観測は水素主体大気を仮定することでよく再現可能であり,これは Lyα 線の blue wing も red wing の両方共に再現可能である.このことは,温暖な海王星類似惑星は Lyα 観測に適した対象であることを示唆している.
一方で地球型惑星の場合,Lyα 波長での観測は,惑星が恒星に非常に近い軌道を公転しているか,数回の観測が行える場合のみ可能である.

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