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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1904.00651
Heller et al. (2019)
The Transit Least Squares Survey - I. Discovery and validation of an Earth-sized planet in the four-planet system K2-32 near the 1:2:5:7 resonance
(The Transit Least Squares Survey - I.1:2:5:7 共鳴に近い 4 惑星系 K2-32 における地球サイズ惑星の発見と実証)

概要

Transit Least Square (TLS) アルゴリズムを,初めて新しいトランジット系外惑星探査に応用した.TLS は Box Least Square (BLS) アルゴリズムの後継として開発されてきたものであり,BLS は周期的なトランジットの検出の一般的なツールとして用いられてきたものである.

今回の概念実証論文では,これまで見逃されてきた小さい惑星のトランジットを,TLS がどのように発見するかを実証する.

ケプラーの K2 ミッションで得られたデータを EVEREST を用いてトレンド除去した,K2-32 (EPIC 205071984) の光度曲線を使用した,K2-32 は 3 つのトランジット惑星が発見されている恒星である.

TLS を用いた解析では,これらの既知の海王星サイズ惑星 K2-32b, d, c を反復研究中に検出し,さらに新しいトランジットも検出した.これはシグナル検出効率 (signal detection efficiency, SDE) が SDETLS = 26.1 と高く,周期は 4.34882 日であった.

ここでは,この新しく検出されたシグナルは K2-32 の K2SFF 光度曲線中でも TLS で検出可能 (SDETLS = 13.2) であることを示す.こちらの光度曲線は,系統のトレンドの除去が最適ではないものである.しかしシグナルは,過去の研究のように K2SFF 光度曲線中で BLS を用いて探査した場合は,一般的な検出閾値より低くなる (SDETLS = 8.9).

emcee ソフトウェアを用いたマルコフ連鎖モンテカルロ法のサンプリングでは,新しい惑星候補は 1.01 地球半径と推定される.この惑星候補の軌道位相で折りたたんだトランジット光度曲線を vespa を用いて解析し,偽陽性確率は 3.1 × 10-3 と推定した.またこの系が複数惑星系であることを考慮すると,偽陽性確率は < 3.1 × 10-4 と推定され,今回検出された K2-32e は惑星であることを実証した.

今回の発見により,K2-32 は 4 つの惑星を 1:2:5:7 の平均運動共鳴鎖に非常に近い関係で持つ系であることが判明した.K2-32e と b の 1:2 平均運動共鳴の軌道周期からのずれは,ケプラーで発見されたトランジット複数惑星系のサンプルと非常によく一致し,K2-32e が惑星由来のシグナルであることをさらに補強する.
TLS は,ケプラーと K2 データから,地球サイズとさらに小さい惑星のさらに多くのトランジットを検出できるだろう.

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