×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1510.01060
Narita et al. (2015)
Characterization of the K2-19 Multiple-Transiting Planetary System via High-Dispersion Spectroscopy, AO Imaging, and Transit Timing Variations
(高分散分光観測、補償光学撮像、トランジット時刻変動による多重トランジット惑星系 K2-19の特性解析)
すばる 8.2 m望遠鏡のHDSとHiCIAOを用いて、高分散分光観測と、ハイコントラストの補償光学撮像を行った。その結果、中心星の K2-19は比較的古く年齢は 8 Gyr以上、late-G型星で有効温度は ~ 5350 K、0.9太陽質量、0.9太陽半径であった。また、付近に他の背景星の混入は確認されなかった。
さらに、内側の惑星 K2-19bのトランジット測光観測のフォローアップ観測を、FLWO 1.2 m望遠鏡のKeplerCam、TRAPPIST 0.6 m望遠鏡のTRAPPISTCAM、OAO 1.8 m望遠鏡のMuSCATを用いて行った。その結果、先行研究で示されていたのと同様にトランジット時刻変動 (Transit timing variations, TTV)が確認された。
解析の結果、軌道周期の比が 3:2になる前後に解が2つ縮退した。しかし、内側の惑星に対しては軌道周期が 7.921日、外側の惑星の質量は ~ 20地球質量と推定した。
今後の更なるトランジット測光観測、特に外側のK2-19cのトランジット観測と視線速度観測によって、解の縮退を解いて内側の惑星の質量を決定することが出来るだろう。
arXiv:1510.01047
Barros et al. (2015)
Photo-dynamical mass determination of the multi-planetary system K2-19
(多重惑星系 K2-19のphoto-dynamical質量決定)
その結果、K2-19bは ~ 44地球質量、K2-19cは ~ 15.9地球質量程度となった。これらの平均密度は、天王星に近いものである。
別々のグループによる、同じ惑星系 K2-19の観測と解析の結果が、同じ日に公表されました。天文学者が面白いと思う対象はやはり似ているようで、独立して追観測をしてパラメータを決定するという試みが進んでいたようです。
解析結果を見てみると、決定したパラメータは概ね整合的であるようです。Barros et al. の方は視線速度の観測を行っているせいか、両方の質量が決定されています。Narita et al. の方が結果の精度は高いように思えます。
arXiv:1510.01060
Narita et al. (2015)
Characterization of the K2-19 Multiple-Transiting Planetary System via High-Dispersion Spectroscopy, AO Imaging, and Transit Timing Variations
(高分散分光観測、補償光学撮像、トランジット時刻変動による多重トランジット惑星系 K2-19の特性解析)
概要
K2-19 (EPIC 201515350)は、K2-19b (~7地球半径)、K2-19c (~4地球半径)の2つの惑星を持つユニークな惑星系である。この2つの惑星は、3:2の平均運動共鳴の付近に位置している。この系の地上観測の結果についての報告である。すばる 8.2 m望遠鏡のHDSとHiCIAOを用いて、高分散分光観測と、ハイコントラストの補償光学撮像を行った。その結果、中心星の K2-19は比較的古く年齢は 8 Gyr以上、late-G型星で有効温度は ~ 5350 K、0.9太陽質量、0.9太陽半径であった。また、付近に他の背景星の混入は確認されなかった。
さらに、内側の惑星 K2-19bのトランジット測光観測のフォローアップ観測を、FLWO 1.2 m望遠鏡のKeplerCam、TRAPPIST 0.6 m望遠鏡のTRAPPISTCAM、OAO 1.8 m望遠鏡のMuSCATを用いて行った。その結果、先行研究で示されていたのと同様にトランジット時刻変動 (Transit timing variations, TTV)が確認された。
解析の結果、軌道周期の比が 3:2になる前後に解が2つ縮退した。しかし、内側の惑星に対しては軌道周期が 7.921日、外側の惑星の質量は ~ 20地球質量と推定した。
今後の更なるトランジット測光観測、特に外側のK2-19cのトランジット観測と視線速度観測によって、解の縮退を解いて内側の惑星の質量を決定することが出来るだろう。
arXiv:1510.01047
Barros et al. (2015)
Photo-dynamical mass determination of the multi-planetary system K2-19
(多重惑星系 K2-19のphoto-dynamical質量決定)
概要
K2-19は、ケプラー宇宙望遠鏡のK2ミッションで発見された、2つ目の複数惑星系である。この惑星系は2つの海王星サイズの惑星を持ち、軌道周期は 3:2の平均運動共鳴に近い。この惑星系のパラメータを決定するため、K2-19bの追加のトランジット観測と、視線速度の観測を行った。またこれらのデータを K2ミッションでのデータを合わせて解析した。その結果、K2-19bは ~ 44地球質量、K2-19cは ~ 15.9地球質量程度となった。これらの平均密度は、天王星に近いものである。
両論文の解析結果の比較
Barros et al. (2015) | Narita et al. (2015) | |
---|---|---|
K2-19 有効温度 | 5390 ± 180 K | 5345 ± 17 K |
K2-19 金属量 [Fe/H] | 0.19 ± 0.12 | 0.07 ± 0.03 |
K2-19 半径 | 0.913 ± 0.094太陽半径 | 0.914 ± 0.027太陽半径 |
K2-19 質量 | 0.949 ± 0.077太陽質量 | 0.902 ± 0.011太陽質量 |
K2-19b 質量 | 44 ± 12地球質量 | - |
K2-19b 半径 | 7.46 ± 0.76地球半径 | 7.34地球質量 |
K2-19b 軌道長半径 | 0.0762 AU | 0.0823 AU |
K2-19c 質量 | 15.9 (+7.7, -2.8)地球質量 | 21.4 ± 1.9地球質量 |
K2-19c 半径 | 4.51 ± 0.47地球半径 | 4.37地球半径 |
K2-19c 軌道長半径 | 0.1001 AU | 0.1024 AU |
別々のグループによる、同じ惑星系 K2-19の観測と解析の結果が、同じ日に公表されました。天文学者が面白いと思う対象はやはり似ているようで、独立して追観測をしてパラメータを決定するという試みが進んでいたようです。
解析結果を見てみると、決定したパラメータは概ね整合的であるようです。Barros et al. の方は視線速度の観測を行っているせいか、両方の質量が決定されています。Narita et al. の方が結果の精度は高いように思えます。
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック