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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1906.02787
Janson et al. (2019)
The B-Star Exoplanet Abundance Study: a co-moving 16-25 Mjup companion to the young binary system HIP 79098
(B 型星系外惑星存在度の研究:若い連星系 HIP 79098 と共動する 16-25 木星質量伴星)

概要

大きな軌道間隔を持つ,恒星質量未満の低質量の伴星は,低質量星の周りでは非常に希少な存在であることが知られているが,恒星質量が大きくなるほどその存在は普遍的であると考えられている.しかし,太陽からおよそ 150 pc 以内に存在する恒星の中では最も重い恒星である B 型星では,この観点からの調査が AFGKM 型星と同様には行われていない.

この問題に取り組むため,研究プロジェクト B-star Exoplanet Abundance Study (BEAST) が立ち上げられ,現在進行している.これは,Scorpius-Centaurus (Sco-Cen) アソシエーション (さそり座-ケンタウルス座アソシエーション) 内にある B 型星回りでの惑星・褐色矮星および円盤の存在頻度とその特性を調査するプロジェクトである.また,Sco-Cen アソシエーション内の B 型星のアーカイブデータの解析も行った.

この解析過程の最中に,B9 型分光連星 HIP 79098AB に,亜恒星質量の伴星候補が付随していることを同定した (HIP 79098 (AB)b).

この候補天体の存在は過去にも報告されていたが,その特徴的な色から,無関係の背景天体が混入したものだと考えられてきた.ここでは,HIP 79098 (AB)b の色は最近発見されているいくつかの若く低質量の褐色矮星と整合的であることを示す.その中には,Sco-Cen アソシエーション内の恒星に付随する伴星も含んでいる.

さらに,15 年以上にわたる観測から,HIP 79098 (AB)b は明確な共通の固有運動を示し,が B9 型恒星の連星から射影距離 345 ± 6 AU にある恒星質量未満の周連星伴星であることを示す.

HIP 79098 (AB)b の質量はモデル依存性があるが 16-25 木星質量と推定され,中心星との質量比は 1% 未満である.今回の発見により,この天体は近年発見個数が増えている,重い恒星周りで惑星のような質量比を持った亜恒星天体の一員となった.

今回の観測は,発見された天体が主星に物理的に付随しているかどうかを識別するためには共通の固有運動解析を行うことが重要であることを強調するものである.また,さらなる伴星天体が純粋に測光サーベイのアーカイブデータの中に埋もれたままである可能性を示唆するものである.

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