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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1907.02112
Hughes et al. (2019)
Constraining the Radio Emission of TRAPPIST-1
(TRAPPIST-1 の電波放射の制約)

概要

TRAPPIST-1 は 7 つの地球型惑星を持つ超低温矮星で,これらの惑星のうち少なくとも 3 つはハビタブルゾーン内を公転している.

このような低質量星からの電波放射に関してはあまり理解が進んでいない.電波放射が検出されている超低温矮星はわずかであり,検出の尤度と恒星の特性の間にはわずかな相関しか見られていない.その他の低質量星に対して,TRAPPIST-1 のような自転の低速な超低温矮星は電波では暗く,自転の速い超低温矮星は強い電波放射を持つ傾向があるが,この傾向は常に現れるものではない.

ここでは,ALMA の 97.5 GHz と VLA の 44 GHz 周波数帯を用いた TRAPPIST-1 の電波観測について報告する.どちらの波長でも TRAPPIST-1 は検出されず,電波強度の 3σ の上限値はそれぞれ 10.6 µJy と 16.2 µJy であった

この上限値を用いて,TRAPPIST-1 の磁場特性と恒星から放出されている可能性のある高エネルギー粒子についての制約を与えた.

超低温矮星からの電波放射の存在は,周囲にある惑星の生命を危機に晒す恒星環境の指標となる.20 GHz と 100 GHz の間の周波数で識別できるジャイロシンクロトロン放射は,磁気リコネクションイベントの最中に放出される高エネルギー粒子の存在を示唆するのに用いることができる最良のプロセスのひとつである.

M 型矮星は多くが地球型惑星を持つため,恒星の放射を特徴づけることは惑星の居住可能性を評価する上で重要な部分.高エネルギー粒子放射への曝露の可能性は電波フラックスの観測から探ることができるが,この暴露は惑星大気を侵食する可能性がある.
今回の結果は TRAPPIST-1 の惑星が生命に適することを示唆するものではないが,恒星からの陽子フラックスのためあからさまに生命の居住に適さないという証拠も発見されなかった.

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