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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1907.09809
Reinhardt et al. (2019)
Bifurcation in the history of Uranus and Neptune: the role of giant impacts
(天王星と海王星の歴史における分岐:巨大衝突の役割)

概要

天王星と海王星の間には多くの類似点があるにも関わらず,大きな観測的な相違点がある.

天王星は自転軸が大きく傾いている.また規則衛星を複数持っており,これは円盤からの降着の存在を示唆する.一方で海王星の衛星は不規則で,捕獲された天体であると考えられる.
さらに,海王星は内部熱源を持っているが,天王星は太陽から独立した平衡状態にある.最後に,重力データに基づいた内部構造モデルでは,天王星は海王星より中心集中した構造になっていることが示唆されている.

ここでは高解像度 SPH (smoothed particle hydrodynamics) シミュレーションを用いて,これらの違いが惑星への巨大衝突で説明できるかどうかを調査した.

天王星の場合,傾斜角のある衝突で自転軸を傾けることができ,規則衛星を形成する場所である円盤を形成するのに十分な物質が衝突によって放出される.円盤のいくらかは重く十分に広がっており,天王星の規則衛星の形成を説明するのに十分な岩石物質を含むと考えられる.

海王星では,正面衝突によって惑星内部を混合できるか,また断熱温度分布が実現されるかどうかを調査した.これは海王星の大きな内部フラックスと慣性モーメントの大きな値を説明できるものである.
その結果,重く高密度な衝突体は海王星の中心へ貫通することができ,内部深くに質量とエネルギーを注入し,海王星があまり中心集中していない内部構造になることができる.

以上より,巨大氷惑星に見られる特性の二分性は,形成後の激しい衝突によって説明できると結論付けた.

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