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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1907.10078
Borsa et al. (2019)
The GAPS Programme with HARPS-N at TNG XIX. Atmospheric Rossiter-McLaughlin effect and improved parameters of KELT-9b
(TNG での HARPS-N を用いたGAPS プログラム XIX.KELT-9b の大気ロシター・マクローリン効果と改善されたパラメータ)

概要

GAPS プロジェクトの枠組みの中で,惑星 KELT-9b を持つ恒星 KELT-9 の観測を HARPS-N を用いて行った.恒星 KELT-9 は A 型星で,射影した自転速度は \(v\sin i\) ~ 110 km s-1 である.

スペクトルと抽出された視線速度を解析して系の物理パラメータに制限を与え,KELT-9b の惑星大気を検出した.

最小二乗逆畳み込み法に基づく解析を用いて,高分散可視光スペクトルから平均の恒星のスペクトル分布を抽出した.その後,高速自転星に最適化された手法を用いて,恒星の視線速度を計算した.これには,ガウス関数を用いる代わりに純粋な自転プロファイルを用いた平均の恒星スペクトル線分布のフィッティングを行うことで実施した.

新しいスペクトルと解析から,系の軌道と物理パラメータを更新した.特に,惑星質量に関して 2.88 ± 0.35 木星質量と更新した値を得た.

トランジット中に視線速度の異常が見られ,理論的なロシター・マクローリン効果の振る舞いからずれていた.これは射影した spin-orbit angle である -85.78° を元にして計算した値からのずれである.ここで,このずれは惑星の大気によって引き起こされることを示し,Atmospheric Rossiter-McLaughlin effect (大気ロシター・マクローリン効果) と名付けた

視線速度の異常の大きさを解析することで,恒星の平均のスペクトル線分布を復元するために用いられたモデルによって重み付けされた,惑星大気の広がりに関する情報を得ることが出来た.これは最大で 1.22 ± 0.02 惑星半径の広がりであった.

大気ロシターマクローリン効果は,特に大気中に鉄を持っているウルトラホットジュピターの場合,大気が恒星のマスクと無視できない相関を持っている他の系外惑星でも観測可能だろうと考えられる.この効果の期間と強度は大気の広がりだけではなく,トランジット中の惑星の視線速度と,中心星の射影した自転速度にも依存する.

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