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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1907.11141
Lam et al. (2019)
It takes two planets in resonance to tango around K2-146
(K2-146 周りでタンゴを踊るには 2 つの共鳴に入っている惑星がいる)
ここでは,過去に検出されていなかった惑星 K2-146c の発見を報告する.
K2-146c は軌道周期 3.97 日で,中心星をかすめるようなトランジット (grazing transit) 起こす軌道配置にある.この外側の惑星は,K2 観測キャンペーンの後期にしか有意に検出されていない.これはおそらくは軌道平面の歳差のためだと考えられる.
1200 日にわたる観測期間中の,K2-146b と c の TTV を測定した.その結果 TTV の強い反相関を発見し,これは 2 つの惑星が重力的に相互作用していることを示唆している.
TTV およびトランジットモデル解析では,K2-146b は 2.25 地球半径.5.6 地球質量,K2-146c は 2.59 地球半径,7.1 地球質量と推定される.2 つの惑星はやや大きな軌道離心率を持ち,内側と外側の惑星はそれぞれ e = 0.14 と 0.16 である.
2 つの惑星の軌道解の長時間数値積分からは,少なくとも 200 万年の間は力学的に安定であることが示された.惑星ペアの共鳴角の評価から,これらの惑星はおそらく 3:2 平均運動共鳴に捕獲されている.この系の軌道構造は,収束性の惑星移動に起源を持つことを示している可能性がある.
arXiv:1907.10620
Hamann et al. (2019)
K2-146: Discovery of Planet c, Precise Masses from Transit Timing, and Observed Precession
(K2-146:惑星 c の発見,トランジット時刻からの精密な質量,および歳差の観測)
ここでは Campaign 16, 18 のデータを解析し,2 番目の惑星 K2-146c を検出した.この惑星は軌道周期が 4.0 日で,K2-146b とは 3:2 の共鳴で秤動を起こしている.共鳴の擾乱による大きな反相関の時刻変動が両惑星に見られた.
惑星の相互傾斜角は 2.40° ± 0.25° で,K2-146c をより地球からの視線方向に近づける方に働いている.K2-146c は Campaign 5 で中心星をかすめるようなトランジット (grazing transit) をしており,そのため過去の探査では見逃されていた.Campaign 16, 18 では完全なトランジットをしており,トランジット深さは 3 倍になっていた.
Gaia DR2 のデータを用いて恒星の特性のパラメータを改善し,力学的フィットを用いて両惑星がサブネプチューンであることを示した.
2 つの惑星はそれぞれ,5.77 地球質量,7.50 地球質量,2.04 地球半径と 2.19 地球半径である.
これらの質量への制約は,小型の系外惑星に対する精度としては最も良いものである (なお,いくつかの巨大ガス惑星に関しては同程度の相対精度がある).これらの惑星は半径-軌道周期平面で見たときの光蒸発の谷に位置しているが,中心星が低光度の M 型矮星であるため,半径-輻射空間で見た時は大気を持つ惑星の中に入る.密度が地球の 60-80% であることから,どちらも一定量のガスのエンベロープを保持していることが示唆される.
arXiv:1907.11141
Lam et al. (2019)
It takes two planets in resonance to tango around K2-146
(K2-146 周りでタンゴを踊るには 2 つの共鳴に入っている惑星がいる)
概要
K2-146 は低温な 0.358 太陽質量の矮星で,2.67 日周期のミニネプチューン K2-146b を持つ.この惑星は 30 分を超える大きなトランジット時刻変動 (transit timing variation, TTV) を示し,系内にさらなる別の天体が存在することを示唆している.ここでは,過去に検出されていなかった惑星 K2-146c の発見を報告する.
K2-146c は軌道周期 3.97 日で,中心星をかすめるようなトランジット (grazing transit) 起こす軌道配置にある.この外側の惑星は,K2 観測キャンペーンの後期にしか有意に検出されていない.これはおそらくは軌道平面の歳差のためだと考えられる.
1200 日にわたる観測期間中の,K2-146b と c の TTV を測定した.その結果 TTV の強い反相関を発見し,これは 2 つの惑星が重力的に相互作用していることを示唆している.
TTV およびトランジットモデル解析では,K2-146b は 2.25 地球半径.5.6 地球質量,K2-146c は 2.59 地球半径,7.1 地球質量と推定される.2 つの惑星はやや大きな軌道離心率を持ち,内側と外側の惑星はそれぞれ e = 0.14 と 0.16 である.
2 つの惑星の軌道解の長時間数値積分からは,少なくとも 200 万年の間は力学的に安定であることが示された.惑星ペアの共鳴角の評価から,これらの惑星はおそらく 3:2 平均運動共鳴に捕獲されている.この系の軌道構造は,収束性の惑星移動に起源を持つことを示している可能性がある.
arXiv:1907.10620
Hamann et al. (2019)
K2-146: Discovery of Planet c, Precise Masses from Transit Timing, and Observed Precession
(K2-146:惑星 c の発見,トランジット時刻からの精密な質量,および歳差の観測)
概要
K2-146 は中期 M 型星 (0.331 太陽質量,0.330 太陽半径) であり,ケプラーの K2 ミッションでは Campaign 5, 16, 18 の期間に観測された.Campaign 5 のデータでは,軌道周期 2.6 日の惑星 K2-146b が発見されており,また未知の擾乱体による大きなトランジット時刻変動が見られている.ここでは Campaign 16, 18 のデータを解析し,2 番目の惑星 K2-146c を検出した.この惑星は軌道周期が 4.0 日で,K2-146b とは 3:2 の共鳴で秤動を起こしている.共鳴の擾乱による大きな反相関の時刻変動が両惑星に見られた.
惑星の相互傾斜角は 2.40° ± 0.25° で,K2-146c をより地球からの視線方向に近づける方に働いている.K2-146c は Campaign 5 で中心星をかすめるようなトランジット (grazing transit) をしており,そのため過去の探査では見逃されていた.Campaign 16, 18 では完全なトランジットをしており,トランジット深さは 3 倍になっていた.
Gaia DR2 のデータを用いて恒星の特性のパラメータを改善し,力学的フィットを用いて両惑星がサブネプチューンであることを示した.
2 つの惑星はそれぞれ,5.77 地球質量,7.50 地球質量,2.04 地球半径と 2.19 地球半径である.
これらの質量への制約は,小型の系外惑星に対する精度としては最も良いものである (なお,いくつかの巨大ガス惑星に関しては同程度の相対精度がある).これらの惑星は半径-軌道周期平面で見たときの光蒸発の谷に位置しているが,中心星が低光度の M 型矮星であるため,半径-輻射空間で見た時は大気を持つ惑星の中に入る.密度が地球の 60-80% であることから,どちらも一定量のガスのエンベロープを保持していることが示唆される.
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