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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1908.03510
Allan & Vidotto (2019)
Evolution of atmospheric escape in close-in giant planets and their associated Lyα and Hα transit predictions
(近接巨大惑星における大気散逸の進化とそれらに付随する Lyα と Hα トランジット予測)

概要

いくつかの近接系外惑星では,強い大気散逸が検出されている,これらの惑星は主に水素で出来ており,Lyα や Hα といった水素のスペクトル線での観測は,大気散逸を診断するための強力な手段である.

ここでは,近接巨大惑星の大気散逸の進化をシミュレーションし,それに伴う Lyα と Hα 線波長でのトランジットを計算した.

1 次元流体力学散逸モデル用いて,惑星から散逸する大気の物理特性を計算する.また光線追跡法を用いて,分光トランジットの観測結果のシミュレーションを行った.
0.3 木星質量および 1 木星質量の惑星が,軌道長半径 0.045 au を公転している状況を模擬した.また中心星は太陽型であることをを仮定し,10 - 5000 Myr まで進化させる.

その結果,若い巨大惑星はより多くの大気散逸を起こすことを見出した.これは,恒星からの強い入射フラックスと,惑星の弱い表面重力の組み合わせに起因するものである.軽い惑星は,進化の全体に渡って 1010-1013 g/s と,重い惑星の 109-1012 g/s よりも大きな散逸率になる.

1 木星質量の惑星は,その質量のうち最大で 1% を大気散逸により失うが,0.3 木星質量の惑星は最大で 20% の質量を失うことになる.これらの結果は,ネプチュニアン砂漠は低重力惑星での大量の質量散逸によって形成されたとするアイデアを支持するものである.


また,Lyα と Hα でのトランジット分光観測を模擬した.

若い年齢において,トランジット中の Lyα 線はスペクトル線の中心部分で飽和する一方,Hα トランジットは幾何学的なトランジットの最大で 3-4% 大きな深さになる.
一方で年老いた段階では,Lyα は依然として有意な吸収を起こす (また低質量の惑星の場合は依然として飽和する) ものの,Hα 吸収はほとんど消失する.これは,中性水素の拡がった大気は ~ 1-2 Gyr 後にはほとんど全体が基底状態になることが原因である.

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