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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1909.05851
Guzik et al. (2019)
Interstellar comet C/2019 Q4 (Borisov)
(恒星間彗星 C/2019 Q4 (ボリソフ彗星))

概要

太陽系内を通過する恒星間彗星の存在は,何十年にもわたって予測されてきた.したがって Pan-STARRS が発見した,彗星ではなく小惑星状の恒星間天体オウムアムアの発見は,大きな驚きと謎をもたらした.さらに,オウムアムアの物理的特性は太陽系内天体とは大きく異なり,恒星間の小天体に対する我々の見方を大きく変えた.

ここでは,明確に彗星の特徴を有している,新しい恒星間天体の同定と初期の特徴付けについて報告する.この天体は,公開されている位置天文データの中から,データ採掘コードによって存在が同定された.

この天体の軌道データは,放物線軌道を仮定した場合に予想されるものからの系統的に大きな乖離を示しており,離心率は 3.16 ± 0.13 と大きな値を示す.ウィリアム・ハーシェル望遠鏡とジェミニ北望遠鏡で 2019 年 9 月 10-13 日に撮影された画像では,広がったコマと,薄く広い尾が存在している.これは一般的な彗星活動の特徴である.

g’ と r’ バンドの等級から,g’-r’ 色指数は 0.63 ± 0.02 と計算され,これは太陽系の彗星で測定されている値と同程度である.また「測光的」な核の直径は ~500 m と推定される.したがって,この彗星の核は非常に小さく,回転による破壊を経験する可能性は ~10% である.

初期のこの天体の特徴付けに基づくと,C/2019 Q4 (Borisov) は,双曲線軌道にあることを除けば太陽系内に元々存在する彗星とは見分けがつかないように思われる.この天体の発見は,恒星間彗星は一般的な存在である可能性を示唆し,このような初めての天体を非常に詳細に調査する機会を与えてくれる.

恒星間彗星・ボリソフ彗星について

ボリソフ彗星は,2019 年 8 月 30 日 01:03 (UT) に,Gennady Borisov によって発見され,仮符号 gb00234 が付与された.その後,彗星としての C/2019 Q4 (Borisov) という仮符号が与えられた.

9 月8 日 04:15 (UT) に,ソフトウェア “Interstellar Crusher” が双曲線軌道のアラートを出した.その後の公開データの解析で,ボリソフ彗星は 15σ の確度で双曲線軌道を持つことが確認され,離心率は 3.16 ± 0.13,近日点距離 1.96 ± 0.04 au と測定された.

ボリソフ彗星は,カシオペヤ座の方向から太陽系に進入したと推定される.黄道面から離れた方向からやってきており,惑星による摂動によってこの双曲線軌道を説明することはできない.

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