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arXiv:1909.12174
Morales et al. (2019)
A giant exoplanet orbiting a very low-mass star challenges planet formation models
(惑星形成モデルに異議を投げかける非常に低質量の恒星を公転する巨大系外惑星)

概要

系外惑星サーベイの統計的な解析では,低質量星周りの惑星は巨大惑星よりもスーパーアースや海王星質量の惑星が多いことが分かっており,これは惑星形成理論のコア降着理論の予想と一致する傾向である.

ここでは,可視光線と近赤外線スペクトルでの精密な視線速度測定から,非常に低質量な恒星 GJ 3512 の周りを 204 日の離心軌道で公転する,最小質量 0.46 木星質量の巨大惑星の発見を報告する.
力学モデルからは,この惑星の高軌道離心率は,惑星・惑星散乱によって引き起こされたと考えるのがもっともらしい.

今回報告された惑星系の存在は現在の惑星形成理論に疑問を投げかけるものであり,惑星形成と進化モデルにおける質量降着率と惑星軌道の移動率に大きな制約を与えるものである.これは,惑星形成においては,これまで考えられていたよりも円盤不安定性を介した形成がより効果的であることを示唆している.

低質量星まわりの惑星

視線速度法を用いた系外惑星サーベイでは,M 型矮星 1 個あたり 1-2.5 個の惑星が発見されており,その大部分は地球質量から海王星質量の範囲にある.低質量星周りでの木星質量の惑星は,発見例がわずかである.これはコア降着理論の予測と一致する.

惑星形成の別の理論,例えば円盤不安定性を介した形成では,大質量の原始惑星系円盤の中での巨大ガス惑星の形成を説明できる可能性がある.

パラメータ

GJ 3512
別名:LP 90-18
スペクトル型:M5.5V
質量:0.123 太陽質量
半径:0.139 太陽半径
光度:0.00157 太陽光度
有効温度:3081 K
距離:9.489 pc
自転周期:87 日
金属量:[Fe/H] = -0.07
GJ 3512b
軌道周期:203.59 日
軌道離心率:0.4356
最小質量:0.463 木星質量
軌道長半径:0.3380 au
(GJ 3512c)
軌道周期:1390 日以上
質量:0.17 木星質量以上
軌道長半径:1.2 au 以上

GJ 3512 について

恒星はやや磁気的に活発な恒星であり,87 日周期の変動を示す.これは自転周期に対応していると考えられる.自転周期が比較的長いため,年老いた恒星 (30-80 億歳) と推測される.

約 204 日の視線速度の周期性が惑星ではなく恒星の活動である可能性は否定される.これは視線速度変動の振幅がこのタイプの低速自転星に見られるものよりも大きいから.また波長ごとの振幅の依存性が見られないからである.

惑星の軌道傾斜角は不明だが,2 度未満のほぼ face-on の場合のみ,惑星の真の質量が 13 木星質量を超え褐色矮星になる.そのためこの天体が惑星質量の天体である可能性は >99.9% と非常に高い.

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