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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1910.00267
García Muñoz & Schneider (2019)
Rapid escape of ultra-hot exoplanet atmospheres driven by Hydrogen Balmer absorption
(水素バルマー吸収に駆動される非常に高温な系外惑星大気の急速な散逸)

概要

大気散逸は,我々の太陽系やその外での惑星の長期進化を説明するために重要であり,大気測定の解釈を行う際にも重要である.惑星からの大気のハイドロダイナミックエスケープは,一般に中心星から惑星が受け取る極端紫外線フラックスによって駆動されると考えられている.

ここでは,高温の恒星を公転する惑星からの大気散逸が,従来知られている駆動源とは異なる,しかし補完的なプロセスを経て進行することを示す.それは,バルマー系列のより低い準位に励起された水素が恒星からの強い近紫外線放射を吸収することによって,光学的に薄い高高度の大気にエネルギーが注入されるというプロセスである.

超高温の系外惑星 KELT-9b は,このバルマー駆動散逸が進行している初めての例であるかもしれない.

バルマー駆動によるハイドロダイナミックエスケープでは,惑星からの質量放出率を左右するのは極端紫外線放射よりも近紫外線放射の方が重要になり,そのため極端紫外線の強度における不定性は大気散逸において大きな問題ではなくなる.

さらに,高温の恒星の周りの系外巨大ガス惑星は,KELT-9b よりも恒星に近接していて,なおかつ 1-2 木星質量よりも軽い惑星の場合,破滅的な質量放出を経験することを予測する.そのため今回のモデルは,全ての大きな系外惑星が大気の散逸に対して安定であるというパラダイムに疑問を投げかけるものである.

惑星からの極端な質量放出は,高温の恒星を公転する近接系外惑星のポピュレーションに対して影響を及ぼすと考えられる.

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