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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1911.09758
Uyama et al. (2019)
Atmospheric Characterization and Further Orbital Modeling of κ And b
(アンドロメダ座カッパ星b の大気の特徴付けとさらなる軌道のモデル化)

概要

Subaru/SCExAO+HiCIAO と Keck/NIRC2 による,アンドロメダ座カッパ星b (κ And b) の測光観測と位置天文観測について報告する.最近公開された SCExAO/CHARIS の低分散分光観測と,公開されている熱赤外線測光観測を合わせ,伴星の大気組成と軌道に制約を与えた.


アンドロメダ座カッパ星b の Y/Y-K カラーは散在する矮星よりも赤く,この天体が若く低重力であることと整合的である.Y バンドの測光と CHARIS スペクトルを,孤立した散在矮星のスペクトルの大きなライブラリと経験的に比較し,この天体は低重力ではあるがもっともらしいスペクトル型 (L0-L2) の広い範囲に入るという Currie et al. (2018) の結論を再確認した.

今回の重力的な分類では,この天体に対するベストフィットな天体モデルは,これまでに報告されていたよりも低重力であることが示唆された.

ダスト・雲を持たない大気モデルは,1-4.7 µm のスペクトルエネルギー分布全体を再現できない.~1700-2000 K の雲あり大気モデルが,観測データとより良く一致する.最も良くフィットできるモデルは,1700-1900 K,表面重力 log(g) = 4-4.5,1.3-1.6 木星半径である.ベストフィットモデルは,最も低温で最も重力が小さいモデルを示唆し,1700 K と log(g) = 4.0 という値になった.

7 年にわたる新しい位置天文観測データから,ExoSOFT を用いた軌道要素の更新を行い,この天体が大きな離心率 (0.77±0.08) を持つことを再確認した.


ここでは,アンドロメダ座カッパ星b を遠方かつ高離心率の軌道に散乱した原因として,未発見の伴星が存在するというシナリオについて考察した.もしアンドロメダ座カッパ星b を含めて 3 つの惑星が同一平面上で形成され,そのうちの 1 つが重力散乱で系外に放出されたとした場合,内側の伴星は 10 木星質量程度以上で 25 au 程度以内に存在する可能性がある.

パラメータ

アンドロメダ座カッパ星
スペクトル型:B9
質量:2.6-2.8 太陽質量
距離:50.0 pc
アンドロメダ座カッパ星b
軌道長半径:103.6 au
軌道周期:631.1 年
軌道離心率:0.77
アンドロメダ座カッパ星系について
亜恒星質量の伴星がmすばる望遠鏡の観測で報告されている (Carson et al. 2013).その後の観測でこの系の年齢は ~4000 万歳と推定されている (Jones et al. 2016).また運動学的見地からは,~2000-5000 万歳の Columbia アソシエーションのメンバーであると推定されている (Currie et al. 2018).

アンドロメダ座カッパ星b のスペクトルエネルギー分布の観測では,有効温度は 1700-2000 K と推定されていたが,表面重力は制約できていなかった (Bonnefoy et al. 2014).その後,すばる望遠鏡を用いた近赤外線分光観測では,低重力の天体であるスペクトル型 L0-L1 のものとよく一致する結果が得られていた (Currie et al. 2018)

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