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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1510.05465
Faigler et al. (2015)
BEER analysis of Kepler and CoRoT light curves: IV. Discovery of four new low-mass white-dwarf companions in the Kepler data
(ケプラーとCoRoTの光度曲線のBEER解析IV:ケプラーデータからの4つの新しい低質量白色矮星伴星の発見)

概要

ケプラー宇宙望遠鏡で観測された光度曲線の解析から、4つの短周期の食連星を発見した。これらは全て、主星がA型星で、伴星が低質量の白色矮星という系である。

解析には、BEERアルゴリズムを用いた。BEERはBEaming, Ellipsoidal, and Reflectionの意味で、相対論的ビーミングによる光度変化、潮汐による中心星の変形による光度変化、惑星(あるいは伴星)の反射光による光度変化の効果を合わせた、軌道位相による光度変化から惑星(あるいは伴星)の存在を明らかにするものである。またここでは、BEERアルゴリズムによる解析に加え、通常のトランジットと、二次食 (secondary transit)の解析も行った。
このBEERアルゴリズムは、Faigler & Mazeh (2011)によって定式化された手法である。

発見された白色矮星

KIC 4169521系

・白色矮星のデータ
軌道周期:1.172555671日
質量:0.210太陽質量
半径:0.0929太陽半径
平均密度:372 g cm-3
有効温度:12114 K

・中心星のデータ
質量:1.982太陽質量
半径:2.247太陽半径
年齢:0.74 Gyr
自転周期:1.79日
有効温度:8290 K

KOI-3818系

・白色矮星のデータ
軌道周期:3.8170428日
質量:0.220太陽質量
半径:0.0260太陽半径
平均密度:19388 g cm-3
有効温度:10854 K

・中心星のデータ
質量:2.14太陽質量
半径:1.99太陽半径
年齢:0.42 Gyr
自転周期:0.79日
有効温度:9170 K

この系では、中心星の脈動による変動も検出された。他のA型星でも同様の低周波数の変動は観測されており、その要因についての研究が行われているが、まだ原因ははっきりしていない。

またこの系は中心星の自転周期が非常に短く、高速で自転している。これは、白色矮星になる前の伴星からの質量移送があったことを示すものである可能性がある。

KIC 2851474系

・白色矮星のデータ
軌道周期:2.7682925日
質量:0.210太陽質量
半径:0.0346太陽半径
平均密度:7365 g cm-3
有効温度:10306 K

・中心星のデータ
質量:2.34太陽質量
半径:3.06太陽半径
年齢:0.6 Gyr
自転周期:5.0日
有効温度:8580 K

ケプラーによる光度曲線では、白色矮星の潮汐力による変形によって引き起こされる中心星の変動 (ellipsoidal variation)は検出されている。しかし食 (トランジット、二次食)は検出されなかった。
また中心星は現在、主系列段階を離れて巨星へと進化している段階だと考えられる。

KIC 9285587系

・白色矮星のデータ
軌道周期:1.8119579日
質量:0.191太陽質量
半径:0.0260太陽半径
平均密度:15847 g cm-3
有効温度:11748 K

・中心星のデータ
質量:1.94太陽質量
半径:2.13太陽半径
年齢:0.72 Gyr
自転周期:1.71日
有効温度:8230 K

この系では、1日に 19 - 24回の周期の変動が見られた。これは中心星のA型星が起源だと考えられる。

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