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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1912.08820
Howe et al. (2019)
Survival of Primordial Planetary Atmospheres: Photodissociation Driven Mass Loss
(初期惑星大気の存続:光解離駆動の質量放出)

概要

太陽系外惑星からの質量損失における最も研究されたメカニズムは,XUV による電離を介した光蒸発であり,特に強く輻射を受ける惑星においてよく研究されている.

しかし,水素分子の遠紫外線 (FUV) 解離の低エネルギー領域も,理論的には低質量の惑星の大気の蒸発を駆動し得る.これは,水素の解離エネルギーは,地球サイズの惑星の重力井戸からの陽子 1 個あたりの脱出エネルギーよりも一桁大きいからである.

初期地球のような温暖な惑星では,従来の微惑星降着モデルでは天体の衝突による大気浸食が大気散逸過程において支配的であると予想される.しかしこの効果は惑星形成のペブル集積シナリオでは大きく減少するため,その他の質量損失過程が主要な寄与をすることになる.

ここでは,この FUV による光解離メカニズムに従来の光電離と同じ記述を適用し,ペブル集積シナリオでの質量損失を推定した.
その結果,エネルギー律速の光解離は,初期の地球類似天体の水素大気を,地球の歴史の初期のような短い間だけではなく,数十億年の長期間にわたって散逸させうることを見出した.

天体衝突による大気浸食は,もし惑星質量の 1% が微惑星の集積によって形成される場合,圧力にして ~2300 bar に相当する量の水素を取り除く.この量は,その他の機構による質量放出を上回る.

同じ結果をスーパーアースとミニネプチューンに対して適用した.これらの天体は地球類似惑星よりわずかに大きな散逸エネルギーを持つ.その結果,このメカニズムは惑星の初期大気から水素を選択的に除去し得ることを見出し.またそ従来の乾燥した形成モデルに比べて多くの量の初期の水を残す.

これらの結果の,地球形成を含む岩石惑星形成モデルへの応用について議論を行った.また,観測されている系外惑星からの質量放出に対してこの解析を応用できる可能性についても議論する.

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