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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2002.10595
Casasayas-Barris et al. (2020)
Is there NaI in the atmosphere of HD 209458b? Effect of the centre-to-limb variation and Rossiter-McLaughlin effect in transmission spectroscopy studies
(HD 209458b の大気中に Na I は存在するか?透過分光観測における center-to-limb variation とロシター・マクローリン効果の影響)

概要

HD 209458b は初めて発見されたトランジット惑星であり,大気成分,特に Na I (中性ナトリウム原子) が検出された初めての系外惑星でもある.これまでで最も研究された系外惑星の一つであり,低分散および高分散分光観測から多様な大気研究が行われている.

ここでは,HARPS-N と CARMENES を用いたこの惑星のトランジット分光観測について報告する.

得られた視線速度データと合わせて Rossiter-McLaughlin effect (ロシター・マクローリン効果) のフィットを行い,天球上に射影した spin-orbit 角を -1.6 ± 0.3 度と測定した.

また,大気透過光の高分散分光観測の解析を,Na I の波長 590 nm 付近で実施した.
その結果,Na I の検出が報告されていた過去の研究とは対照的に,得られた透過スペクトルは大気中の吸収ではなく,center-to-limb variation とロシター効果の組み合わせで説明できることを見出した.これは時間進化マップと透過光の光度曲線中にも見られるが,これはシグナルノイズ比が低くなっている.

その他の強いスペクトル線,例えば Hα や Ca II,Mg I,K I についても解析を行い,系外惑星大気からの寄与を考慮せずにモデル化した効果と整合的であった.そのため,HD 209458b の大気透過光スペクトルには,この惑星には検出可能な Na I 吸収は見られないことが明らかになった.

この系外惑星大気研究のベンチマークとなる天体についての過去の先駆的な研究において,center-to-limb variation とロシター・マクローリン効果が見落とされている可能性について議論する.一部の恒星・惑星系ではこれらの効果は小さいが,他の惑星大気では,論文内で報告されている結果は修正の必要がある可能性があることを指摘する.

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