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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:2002.10562
Carleo et al. (2020)
The GAPS Programme at TNG XXI -- A GIARPS case-study of known young planetary candidates: confirmation of HD 285507 b and refutation of AD Leo b
(The GAPS Programme at TNG XXI -- 既知の若い惑星候補の GIARPS のケーススタディ:HD 285507b の確認としし座 AD 星b の否定)

概要

ホットジュピターという存在は未だに明らかになっていない点が多い.ホットジュピターが現在の起動の位置に来る経路として,2 つの主要な説が提唱されている.一つは原始惑星系円盤の中での滑らかな惑星移動,もう一つは初期に高離心率の軌道にあり,その後潮汐散逸で軌道長半径が強く減衰して円軌道化されたというものである.

異なるホットジュピターの形成過程は,軌道要素や恒星の年齢に対する惑星の存在頻度などの異なる観測的な効果を生じるはずである.
GAPS Young-Objects プロジェクトでは,若いホットジュピターの特徴付けを行うための視線速度サーベイを実施した.若い恒星は一般に磁気的に非常に活発であるため,多バンド (可視光と近赤外線) の分光観測を実施した.TNG の HARPS-N と GIANO-B での同時観測を行った.この観測の組み合わせにより,恒星活動と視線速度の変動の特徴を区別することが可能になった.恒星の磁気的活動は波長依存性のある視線速度変動を引き起こすが,惑星のケプラー運動に起因するシグナルの場合は波長依存性が無い.

先験的な研究として,ここでは既にホットジュピターの発見主張がある 2 つの若い恒星 HD 285507AD Leo (しし座 AD 星) を観測した.
その結果,HD 285507 の視線速度シグナルは惑星のケプラー運動起源のものであることを確認し,ホットジュピター HD 285507b の軌道要素の更新を行った.一方で今回の解析では,過去に惑星の検出が報告されていたしし座 AD 星での惑星由来の視線速度シグナルは確認されなかった.

今回の観測結果は,活発な恒星を観測する際の多バンド分光観測の重要性を示すものである.

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