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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1510.08448
Kaib & Chambers (2015)
The Fragility of the Terrestrial Planets During a Giant Planet Instability
(巨大惑星の軌道不安定中の地球型惑星の壊れやすさ)

概要

現在までに太陽系外縁部の巨大惑星に関する数値計算は多く行われてきた。例えば、巨大惑星の軌道が不安定を起こし、1つかそれ以上の巨大氷惑星を太陽系外へ弾き飛ばした可能性の検証などである。この起動不安定の間、木星と土星の軌道は変化し、 2:1の平均運動共鳴の状態を通過する。そして、この共鳴を通過する前後では地球型惑星の軌道を乱した可能性がある。ここでは、その過程について数値シミュレーションを行って検証した。

数値計算の内容としては、現在の太陽系外側の惑星の軌道配置を再現するような状況を想定した。
太陽系が4つの巨大惑星を持ち、木星と土星が 2:1平均運動共鳴から外れた状態にあるという現在の状況になる過程では、少なくとも 85%の確率で、1つの地球型惑星が太陽系から失われることが分かった。さらに、4つの地球型惑星が系に残る場合、軌道離心率と軌道傾斜角は現在の値よりも大きな値となってしまう。現在の軌道離心率と軌道傾斜角を再現できる確率は、およそ 5%未満である。また、外側の惑星の配置をよく再現するような状況のシミュレーションでは、外側も内側も上手く実現できる確率は 1%かそれ以下という非常に低い値となった。

この非常に低い確率は、巨大ガス惑星の軌道不安定は岩石惑星の形成前に発生したということを示唆する。すなわち、岩石惑星に見られる後期重爆撃の起源は、巨大ガス惑星の軌道不安定ではなく、また岩石惑星は巨大ガス惑星が現在の軌道に落ち着いた状態で形成が完了したという事を示唆する結果である。








ニースモデルなどでも後期重爆撃は巨大ガス惑星の軌道不安定によるものだとされてきたわけですが、この論文は軌道不安定中の岩石惑星の軌道を解いて、現在の状況を再現できないだろうと指摘しています。そのため軌道不安定中は岩石惑星はまだ形成されていないか形成途中で、後期重爆撃は別の原因が必要だという主張のようです。
これが本当ならかなり重要な示唆を与える論文になると思うんですが、果たして…

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