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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1511.03550
Berta-Thompson et al. (2015)
A rocky planet transiting a nearby low-mass star
(近傍の低質量星をトランジットする岩石惑星)

概要

M型矮星 (水素燃焼を起こし、太陽よりも 60%程度小さいサイズの恒星)は、銀河系内では普遍的な恒星であり、太陽型星との存在比は 12:1である。最近の研究では、M型星は地球型惑星を多く持つことが示唆されており、0.5 - 1.5地球半径の惑星を平均で少なくとも 1.4個持つと考えられている。

このようなタイプの惑星で最も近いトランジット惑星は 39 pcの距離にあり、これは視線速度観測で惑星の質量を測定したり、大気観測を行うための詳細なフォローアップ観測をするには遠い天体である。

ここでは、GJ 1132bの観測を報告する。この惑星は、1.2地球半径であり、距離は 12 pcと近傍にある。視線速度観測による質量の測定も行われ、地球類似の平均密度を持つことが判明した。この惑星は地球の 19倍の日射を受けており、ハビタブル惑星ではない。しかし大気を持つことが出来ると考えられる。その場合、大気は水素が散逸して欠乏した大気であろうと考えられる。

観測

この惑星は、MEarth-South望遠鏡を用いて観測された。チリのCerro Tololo Inter-American Observatory (CTIO)にある、8つの 40 cm望遠鏡のセットで観測された。MEarthによるアストロメトリ観測で視差が測定され、距離は 12.04 pcと判明した。

GJ 1132の視等級は 13.49であり、0.181太陽質量、0.207太陽半径、0.00438太陽光度、有効温度は 3270 Kである。また金属量は [Fe/H] = -0.12 ± 0.15、年齢は 5 Gyr以上である。

トランジット観測と視線速度観測から、軌道周期は 1.628930日、1.16地球半径、1.62地球質量であり、平均密度は 6.0 g cm-3である。ボンドアルベドが 0の場合の平衡温度は 579 K、ボンドアルベドが 0.75 (金星を想定)の場合は 409 Kである。

惑星の内部構造のモデルより、75%がマグネシウムを含む岩石、25%が金属 (質量比)とすると半径・質量をよく説明できる。







Natureに掲載された論文です。
太陽近傍の岩石惑星であり、視線速度で質量まで測定されたという点がニュースのようです。

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