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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1602.06573
Raymond et al. (2016)
Did Jupiter's core form in the innermost parts of the Sun's protoplanetary disk?
(木星のコアは太陽の原始惑星系円盤の最も内側領域で形成されたか?)

概要

木星の固体核 (コア) は一般的にスノーラインの外側で形成されたと考えられている.ここでは,それとは異なる木星コアの形成シナリオ,原始惑星系円盤の内側部分で木星コアが形成されたという説を提案する

これまでの多くの研究では,小さい固体粒子 ("pebble" と呼ばれる) は原始惑星系円盤内を内側へと移動することが示唆されている.Pebble が円盤の内縁にトラップされた場合,その場所では数地球質量のコアが急速に形成される.その後,惑星と円盤の相互作用によってコアはスノーラインを越えて外側へ移動する.当然,太陽系の外側領域へ到達するためには.地球型惑星が形成されている領域を横切る必要がある.

ここでは,N 体シミュレーション中で,固体コアに人工的に力を加えて外側への移動を再現する.その過程で,外側へ移動する木星コアが地球型惑星の形成領域に与える影響を評価した.

外向きのコアの移動が速い場合 (移動のタイムスケールが ~ 104 年),コアは微惑星と原始惑星の間を通過するだけである.しかし移動が遅い場合 (同じく ~ 105 年),コアとの平均運動共鳴によって円盤の内側領域から固体成分を取り除く効果が起きる.この場合,多くのケースで 0.5 - 1 AU は原始惑星と大部分の微惑星が掃き出される.太陽付近の物質が減ることになるため,この木製コアの外側移動は,水星より内側に惑星が存在しないことを説明する事が出来るかもしれない.

また外側移動するコアは,別の大きいコア (地球質量程度) の成長を助ける.これは,移動するコアの外側の軌道共鳴に捕獲することで発生し,成長が助けられたコアは土星のコアとなった可能性がある.

内側で形成されて外側へ移動するコアは,岩石主体の微惑星を一定量外側領域へ運び,仮説上の天体である鉄隕石の母体となる天体を,小惑星帯 (メインベルト) へ運ぶ役割を果たしたかもしれない.

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