×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1605.03941
Burkhart et al. (2016)
A Deep Search for Additional Satellites around the Dwarf Planet Haumea
(準惑星ハウメアのまわりのさらなる衛星の詳細な捜索)
カイパーベルト天体 (Kuiper Belt Object, KBO) まわりの規則衛星の詳細な捜索は観測的な制限から難しいが,ハウメアは十分なデータが存在する数少ない天体の一つである.
ここでは,ハッブル宇宙望遠鏡による観測結果の解析を行い,新たな小さい衛星を捜索した.詳細な捜索を行うため,non-linear shift-and-stack method を用いた.
その結果,新しい衛星は発見されなかった.
またこの結果から,ハウメアまわりの未発見の衛星に対して制限をかけることができ,ハウメアから ~ 10000 - 350000 km の範囲では,衛星の幾何学的アルベドをハウメアと同程度の 0.7 であると仮定した場合,~ 10 km サイズ以上の衛星は存在しないと結論付けられた.
また,ハッブル宇宙望遠鏡による別のデータより,ハウメアのヒル半径内の大部分の領域において,~ 40 km 以上のサイズの衛星の存在も排除された.
arXiv:1605.03941
Burkhart et al. (2016)
A Deep Search for Additional Satellites around the Dwarf Planet Haumea
(準惑星ハウメアのまわりのさらなる衛星の詳細な捜索)
概要
準惑星であるハウメアは,2 個の衛星を持ち,異常に速い自転をしており,またハウメア族と呼ばれる大きな衝突族 (collisional family) を持っている.そのため,太陽系外縁の天体のなかでも特に興味深いものの一つである.カイパーベルト天体 (Kuiper Belt Object, KBO) まわりの規則衛星の詳細な捜索は観測的な制限から難しいが,ハウメアは十分なデータが存在する数少ない天体の一つである.
ここでは,ハッブル宇宙望遠鏡による観測結果の解析を行い,新たな小さい衛星を捜索した.詳細な捜索を行うため,non-linear shift-and-stack method を用いた.
その結果,新しい衛星は発見されなかった.
またこの結果から,ハウメアまわりの未発見の衛星に対して制限をかけることができ,ハウメアから ~ 10000 - 350000 km の範囲では,衛星の幾何学的アルベドをハウメアと同程度の 0.7 であると仮定した場合,~ 10 km サイズ以上の衛星は存在しないと結論付けられた.
また,ハッブル宇宙望遠鏡による別のデータより,ハウメアのヒル半径内の大部分の領域において,~ 40 km 以上のサイズの衛星の存在も排除された.
PR
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
衝突族は,天体衝突によって作られた複数の天体の集まりを指す言葉である.一つの衝突イベントによって生成された多数の小天体から成り,組成が似ている,似通った軌道要素を持つなどの共通の特徴がある.ハウメアも,ハウメアへの天体衝突が原因と思われる衝突族を持っており,ハウメア属 (Haumea family または Haumean family) と呼ばれる.ハウメア族は,太陽系外縁天体における唯一の既知の衝突族である.