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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1605.05315
Schmidt et al. (2016)
Direct Imaging discovery of a second planet candidate around the possibly transiting planet host CVSO 30
(トランジット惑星候補を持つ CVSO 30 まわりの二番目の惑星候補の直接撮像による発見)

概要

直接撮像は,特に若い星回りでの大きな軌道を持つ惑星の発見で成果を上げている.直接撮像で発見された惑星はアストロメトリ (位置天文学) 的にフォローアップ観測することができ,また分光観測を行うことも出来る.そのため,初期の太陽系に関する我々の理解を深めるためにも重要である.

25 Ori 星団 (25 Orionis, オリオン座の領域にある星団) において,直接撮像で惑星などの伴星の探索を行った.この星団の年齢は数百万年である.この中で特に,若い M3 型星である CVSO 30 の観測を行った.この星は,初めてトランジット惑星候補が検出された T Tauri star (おうし座T型星,主系列段階に至る前の若い星) である.

ハイコントラストの測光観測と分光観測を,Very Large Telescope (VLT),Keck 望遠鏡,Calar Alto 天文台で行った.その結果,CVSO 30 まわりに惑星候補を発見した.

J, H, K バンドの測光観測から,スペクトル型としては,晩期の巨星,早期 T 型矮星,早期 M 型矮星,自由浮遊惑星 (free-floating planet) と整合的であった.背景の銀河など,その他の可能性は 3.5 σ で排除された.

また,Lucky imaging の z' バンドの検出限界より,早期 M 型矮星の可能性は除去された.また,質量は 10 木星質量より小さいと考えられる.もし重力的に束縛されている天体である場合は,CVSO 30c となる.

分光観測からは,若い (< 10 Myr) L - T 型の惑星の可能性が高いと考えられる.観測と最も合う質量は,4 - 5 木星質量である.

CVSO 30 は,一般的な星が近接した軌道を持つ惑星と大きな軌道を持つ惑星の両方を持っている初めての系である.これらの惑星は,軌道周期はそれぞれ 10.76 時間と ~ 27000 年であり,この軌道の起源は惑星・惑星散乱であるかもしれない.
※注釈
CVSO は,CIDA Variability Survey in Ori の略称.また,CIDA は Ventro de Investigaciones De Astronomia という研究機関名の略称.
CVSO は,CIDA の Venezuela National Astronomical Observatory にある QUEST カメラを用いたサーベイ観測のカタログであり,CVSO 30 の "30" はそのカタログ中での番号である.
なお,QUEST は Quasar Equatorial Survey Team から取られている.

パラメータ

CVSO 30
質量:0.34 太陽質量 もしくは 0.44 太陽質量
光度:0.25 太陽光度
半径:1.39 太陽半径 もしくは 1.07 太陽半径 もしくは 1.03 太陽半径
有効温度:3470 K
年齢:およそ 2.39 Myr

別名として,2MASS J05250755+0134243 や,PTF J052507.55+013424.3 がある.
CVSO 30b
軌道周期:0.448413 日
軌道長半径:0.00838 AU
質量:3.0 - 5.5 木星質量
半径:1.91 木星半径 もしくは 1.64 木星半径

既にトランジット法で検出されている惑星候補天体.別名として PTFO 8-8695b というものもある.
CVSO 30c
軌道周期:~ 27250 年
軌道長半径:662 AU (投影距離)
質量:4.3 - 4.7 木星質量
半径:1.63 木星半径
有効温度:1600 K

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