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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1605.08785
May & Rauscher (2016)
Examining Tatooine: Atmospheric Models of Neptune-Like Circumbinary Planets
(タトゥイーンの調査:海王星的な周連星惑星の大気モデル)
計算には,1 次元のエネルギーバランスモデルと,3 次元の General Circulation Model (GCM) を使用した.また計算した結果を,単独星周りの惑星の場合と比較した.
その結果,安定した軌道を持つ周連星惑星の場合は最も極端なケースであっても,単独星周りの惑星と比較して 1.0%しか変わらない事が判明した.また GCM での詳細なモデリングからは,大気循環の違いを励起するような温度変化にはならないことが示された.従って,巨大ガス惑星の周連星惑星では,中心の連星はそれに等価な単独星として扱っても問題ないという事が分かった.
これらはトランジット法を用いて発見されており,多くは 0.75 - 2.25 海王星半径と,海王星に近いサイズを持っている.これは,10 地球半径よりも大きい惑星は,連星周囲では一般的ではないという研究を支持する結果である (Armstrong et al. 2014).
発見されている周連星惑星はどれもガス惑星だが,岩石惑星であればハビタブルゾーンの扱いも単独星の場合で代用可能であるため,連星まわりの惑星の場合もハビタビリティ (居住可能性) の観点から軽視されるべきではないと言える.しかし,細かい大気循環のパターンの違いなどはさらなる精査を要する.
arXiv:1605.08785
May & Rauscher (2016)
Examining Tatooine: Atmospheric Models of Neptune-Like Circumbinary Planets
(タトゥイーンの調査:海王星的な周連星惑星の大気モデル)
概要
周連星惑星 (circumbinary planet) は連星のまわりを公転するため,時間変動のある日射を受けることになる.ここでは,発見されている周連星惑星 (巨大ガス惑星) と,理論上存在しうる周連星惑星 (巨大ガス惑星) を想定し,日射の変動の惑星大気への影響を初めて詳細に研究した.計算には,1 次元のエネルギーバランスモデルと,3 次元の General Circulation Model (GCM) を使用した.また計算した結果を,単独星周りの惑星の場合と比較した.
その結果,安定した軌道を持つ周連星惑星の場合は最も極端なケースであっても,単独星周りの惑星と比較して 1.0%しか変わらない事が判明した.また GCM での詳細なモデリングからは,大気循環の違いを励起するような温度変化にはならないことが示された.従って,巨大ガス惑星の周連星惑星では,中心の連星はそれに等価な単独星として扱っても問題ないという事が分かった.
周連星惑星について
連星の周りを惑星が公転している場合,その惑星の事を周連星惑星と呼ぶ.これまでに,ケプラー16b (Doyle et al. 2011),ケプラー34b,ケプラー35b (Welsh et al. 2012),ケプラー47b, c (Orosz et al. 2012a),ケプラー38b (Orosz et al. 2012b),ケプラー64b (Schwamb et al. 2013, Kostov et al. 2013),ケプラー413b (Kostov et al. 2014),ケプラー453b (Welsh et al. 2015),KOI 2939b (Kostov et al. 2015) の 10 個が発見されている.これらはトランジット法を用いて発見されており,多くは 0.75 - 2.25 海王星半径と,海王星に近いサイズを持っている.これは,10 地球半径よりも大きい惑星は,連星周囲では一般的ではないという研究を支持する結果である (Armstrong et al. 2014).
周連星惑星の大気
数値計算で周連星惑星の大気を計算した結果,単独星周りのガス惑星大気と比較した時に最大で 1%程度の差があるに過ぎなかった.ケプラー47b を想定した場合の計算では,違いは 0.2%だった.従って,連星は単独星として取り扱っても問題ないことが判明した.発見されている周連星惑星はどれもガス惑星だが,岩石惑星であればハビタブルゾーンの扱いも単独星の場合で代用可能であるため,連星まわりの惑星の場合もハビタビリティ (居住可能性) の観点から軽視されるべきではないと言える.しかし,細かい大気循環のパターンの違いなどはさらなる精査を要する.
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