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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1606.08376
Pavlov et al. (2016)
Determining parameters of Moon's orbital and rotational motion from LLR observations using GRAIL and IERS-recommended models
(GRAIL と IERS 推奨モデルを用いた LLR 観測による月の軌道と自転運動のパラメータ決定)
その結果,LLR 観測をフィットした後の残差からは,IERS Conventions が推奨した地球のモデルとその解は,既存の月のモデルとよく合うことが判明した.
分析の結果,測距地点と月面上の 5 つの再帰反射器 (retroreflector) の性格な位置を決定した.また,月の液体コアと固体マントルの境界での散逸が示唆され,月内部に液体コアが存在することが示された.また,潮汐散逸は地球と月の双方において強いことが判明した.
結果として,月の軌道長半径は年間 38.20 mm のペースで拡大していることが判明した.
また,平均視黄経の潮汐加速は -25.90" / cy2 であり,また月の軌道離心率は 1 年あたり 1.48 × 10-11 増加している.
arXiv:1606.08376
Pavlov et al. (2016)
Determining parameters of Moon's orbital and rotational motion from LLR observations using GRAIL and IERS-recommended models
(GRAIL と IERS 推奨モデルを用いた LLR 観測による月の軌道と自転運動のパラメータ決定)
概要
この研究の目的は,DE430 のために開発された月の軌道と自転運動のモデルを,最新の天文学的,地球力学的,地球物理学的,および月物理学的なモデルと組み合わせることである.その結果,LLR 観測をフィットした後の残差からは,IERS Conventions が推奨した地球のモデルとその解は,既存の月のモデルとよく合うことが判明した.
分析の結果,測距地点と月面上の 5 つの再帰反射器 (retroreflector) の性格な位置を決定した.また,月の液体コアと固体マントルの境界での散逸が示唆され,月内部に液体コアが存在することが示された.また,潮汐散逸は地球と月の双方において強いことが判明した.
結果として,月の軌道長半径は年間 38.20 mm のペースで拡大していることが判明した.
また,平均視黄経の潮汐加速は -25.90" / cy2 であり,また月の軌道離心率は 1 年あたり 1.48 × 10-11 増加している.
主な結果
- 一般的に使用されている地球の重力ポテンシャルのモデルは,LLR の観測結果を解析するのに適切である.
- IAU 2000/2006 の歳差・章動モデル + IERS C04 EOP series は,LLR 観測の解析に適切である.ただし,1984年以前のものを除く.
- 軌道の変化は,de/dt ~ -25.901" / cy2, da/dt ~ 38.204 mm / 年 である.
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DE とは Development Ephemeris の事であり,NASA のジェット推進研究所 (JPL) が編纂した,月・惑星用の天体暦を指す.DE430 は DE405 の後継に相当する.
参考:
暦の改訂について(2016) - 国立天文台暦計算室