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arXiv:1608.06836
Buchhave et al. (2016)
A 1.9 Earth radius rocky planet and the discovery of a non-transiting planet in the Kepler-20 system
(ケプラー20系内の 1.9 地球半径の岩石惑星とトランジットしていない惑星の発見)

概要

ケプラー20 は,等級が V = 12.5 の太陽型星である.これまでに 5 つの惑星が発見されており,5 つとも太陽系で言うと水星の軌道より内側の狭い領域を公転している.

惑星の組成と半径の関係について,岩石惑星とガス惑星の境界線は,~ 1.6 地球半径程度にあるという研究が存在する (Rogers et al. 2015, Weiss & Marcy 2014).ケプラー20b はこの遷移半径よりも大きな半径を持つ (~ 1.9 地球半径).しかしこれまでの観測では,この惑星の組成を十分に制限できない程度の精度でしか質量を推定できていなかった.

ここでは,HARPS-N で104 セットの視線速度観測を行い,さらに Keck/HIRES の 30 セットのアーカイブデータを合わせて解析した.加えて,ケプラーの測光観測のデータ解析のアップデートを行い,中心星を星震学 (asteroseismology) を用いた解析も行って質量と半径を決定した (0.948 太陽質量,0.964 太陽半径).


解析の結果,ケプラー20b の軌道周期は 3.7 日,半径は 1.868 地球半径で,質量は 9.70 (+1.41, -1.44) 地球質量となった.平均密度は 8.2 (+1.5, -1.3) g cm-3 となり,これは地球と同じ鉄・シリケイト比の組成を持つ岩石惑星であることを示唆する.ケプラー20b は,これまでに確認されている中で,岩石で出来ている最も重い惑星である

さらに視線速度観測から,19.96 地球質量,軌道周期 ~ 34 日のトランジットしていない惑星 ケプラー20g を検出した.この惑星は,ケプラー20f (軌道周期 ~ 11 日) とケプラー20d (軌道周期 ~ 78 日) の間を公転している.

ケプラー20 星系について

ケプラー20 星系での最初の惑星候補の検出は,Borucki et al. (2011) によってトランジット法でなされた.その後,Gautier et al. (2012) でケプラー20b, c, d の 3 惑星の存在を確認し,同時にケプラー20b, c の質量を測定した.さらに,Fressin et al. (2012) が,地球サイズの惑星のケプラー20e, f を検出した.

これまでに合計 5 つの惑星が発見されており,全て水星の軌道長半径よりも内側に相当する位置を公転している.

しかしこれらの惑星の質量推定は不定性が大きく,惑星の組成については粗い制約しかかけられていなかった.

また近年では,多くの研究者らによって,岩石惑星とガス惑星を分ける境界は,惑星半径が 1.5 - 1.7 地球半径程度にあるという説が提案されている.

パラメータ

ケプラー20
等級:12.51
有効温度:5495 K
金属量:[m/H] = 0.07
質量:0.948 太陽質量
半径:0.964 太陽半径
年齢:7.6 Gyr
ケプラー20g
軌道周期:34.940 日
軌道離心率:0.15
軌道長半径:0.2055 AU
質量:19.96 地球質量
平衡温度:524 K
この系について
今回新たに検出されたのはケプラー20g で,これがケプラー20 星系における 6 個目の惑星の発見である.ケプラー20b, c, d, e, f はトランジット法による発見だが,ケプラー20g はトランジットをしておらず,視線速度法による検出である.

内側から,ケプラー20b, e, c, f, g, d という順番に公転している.

その他

ケプラー10c は,質量が 17.2 地球質量,半径が 2.35 地球半径と,今回質量を精密に求めたケプラー20b よりも重い惑星である.しかし平均密度は 7.1 g cm-3 とケプラー20b よりも小さく,想定される組成もシリケイト 100%よりも軽い組成である (Dumusque et al. 2014).

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