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論文関連の(ほぼ)個人用メモ。
arXiv:1609.04416
Bourrier et al. (2016)
No hydrogen exosphere detected around the super-Earth HD97658 b
(スーパーアース HD 97658b まわりでの水素外気圏の非検出)
この惑星をハッブル宇宙望遠鏡の STIS でライマンアルファ線でトランジット観測した結果,そのような中性水素の外気圏の存在を示すシグナルは検出されなかった.この惑星の熱圏は流体力学的に拡大しておらず,中性水素の低い散逸率 (3 σ で < 108 g s-1) が予想される.
また,別のタイミングに,ハッブル宇宙望遠鏡の STIS のライマンアルファ線,X 線宇宙望遠鏡チャンドラの ACIS-S と X 線宇宙望遠鏡 XMM-Newton の EPIC での X 線観測を行った.その結果中心星は,弱くソフトな X 線源であり,ライマンアルファ線では彩層の活動が検出された.
HD 97658b の受けるライマンアルファ線や XUV (X 線と極端紫外線) の水準は,他の蒸発している惑星よりも低い.XUV の輻射は,大気の蒸発が観測されている海王星型惑星の GJ 436b よりも 3 倍ほど低い.これが,HD 97658b の熱圏が広がっていない理由だろうと考えられる.中心星 XUV 光度が低いため,水蒸気大気が光分解できないということである.あるいは,水素の量が少ないか,恒星からのエネルギーを大気中で変換する効率が非効率的であることと関係しているかもしれない.
arXiv:1609.04416
Bourrier et al. (2016)
No hydrogen exosphere detected around the super-Earth HD97658 b
(スーパーアース HD 97658b まわりでの水素外気圏の非検出)
概要
HD 97658b は,穏やかに輻射を受けているスーパーアースの大気組成と進化を調べるための良いターゲットである.この惑星は明るい K 型星のまわりを,0.08 AU とやや離れて公転している.平均密度は小さく,重い水蒸気大気を持つとするモデルと整合的である.大気上層では水分子の光分解によって,惑星から散逸していく中性水素を観測できることが期待される.この惑星をハッブル宇宙望遠鏡の STIS でライマンアルファ線でトランジット観測した結果,そのような中性水素の外気圏の存在を示すシグナルは検出されなかった.この惑星の熱圏は流体力学的に拡大しておらず,中性水素の低い散逸率 (3 σ で < 108 g s-1) が予想される.
また,別のタイミングに,ハッブル宇宙望遠鏡の STIS のライマンアルファ線,X 線宇宙望遠鏡チャンドラの ACIS-S と X 線宇宙望遠鏡 XMM-Newton の EPIC での X 線観測を行った.その結果中心星は,弱くソフトな X 線源であり,ライマンアルファ線では彩層の活動が検出された.
HD 97658b の受けるライマンアルファ線や XUV (X 線と極端紫外線) の水準は,他の蒸発している惑星よりも低い.XUV の輻射は,大気の蒸発が観測されている海王星型惑星の GJ 436b よりも 3 倍ほど低い.これが,HD 97658b の熱圏が広がっていない理由だろうと考えられる.中心星 XUV 光度が低いため,水蒸気大気が光分解できないということである.あるいは,水素の量が少ないか,恒星からのエネルギーを大気中で変換する効率が非効率的であることと関係しているかもしれない.
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