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日々の感想などどうでもよいことを書き連ねるためだけのブログ。
論文関連の(ほぼ)個人用メモ。



arXiv:1609.09074
Piskorz et al. (2016)
Evidence for the Direct Detection of the Thermal Spectrum of the Non-Transiting Hot Gas Giant HD 88133 b
(トランジットしない高温のガス惑星 HD 88133b の熱スペクトルの直接検出の証拠)

概要

トランジットを起こさないガス惑星 HD 88133 からの熱放射のスペクトルをターゲットとして,近赤外線領域での高分散分光観測を行った.中心星と惑星を分光学的連星 (spectroscopic binary) と見做すことでのデータの取得を行った.

多数回のトランジットの観測から,惑星よりも高温な恒星のスペクトルと,高温ガス惑星の大気のスペクトルを分解することが可能となる.これを行うために,まず観測されたデータから,地球大気によるスペクトルを取り除くための主成分分析を行った.次に,惑星の軌道を決定し大気吸収源の主要なソースを同定するために,中心星と HD 88133b のスペクトルを,相互相関分析によって引き出した.

観測は,6 回のトランジットを Keck 望遠鏡の NIRSPEC を用いて L バンドで,また 3 回のトランジットを同じ装置で K バンドで行った.

2 つの大気モデルと,取得した全データセットの相互相関からの最大尤度曲線の解析から,トランジットしない惑星 HD 88133b の放射スペクトルの検出に成功した.またケプラー速度の視線速度成分を検出し,その値は 40 ± 15 km s-1 であった.さらに,この惑星の真の質量は 1.02 木星質量であることが分かった.
なお大気モデルには,SCARLET (Benneke 2015) と,PHOENIX (Barman et al, 2001) を用いている.

この惑星の軌道はほぼ face-on (地球から見て公転軌道面を正面近くから見ている位置関係) でありその傾きは 15 度である.また高分散での大気の不透明度 (opacity) の起源は,水蒸気が支配的であった.

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